外国人雇用に伴う申請の例外と原則について

先日、「外国人雇用と人事労務管理」を題材としたセミナーの講師を務めてきました。
基本的な在留資格の制度、申請の種類・注意点、在留カードの届出、在留資格に関するトラブル、出入国管理および難民認定法の一部改正など、基本的な内容から実務上の事例も交えた内容になりましたが、数十社の企業担当者の方々に参加していただいたことからも、改めて外国人雇用の必要性を感じることができました。

セミナーでお話しさせていただいた内容の中で、ここ最近、特に実務上気になる点、注意している点があります。以前に一度コラムの中でもお話しさせていただきましたが、在留資格認定証明書交付後の手続きについてです。外国人を雇用している企業のご担当者様でご存知の方は多いとは思いますが、通常、雇用企業が日本の入国管理局に申請をし、在留資格認定証明書交付後、海外に居る申請人が現地の日本大使館又は領事館にて査証申請を行い、査証発給後、入国、在留カード交付、就労開始の流れになります。
ただ、在留資格認定証明書交付申請中に、打ち合わせなどの目的で「短期滞在」で入国する方も少なくありません。そして、在留資格認定証明書交付時に、たまたま「短期滞在」で在留し、特別の事情がある場合でも、わざわざ海外に戻り、日本大使館または領事館にて査証申請を行うのではなく、例外的に、日本国内の入国管理局で、「短期滞在」からの在留資格変更許可申請を受け付けていただいているケースがあります。あくまでも例外であり、認定証明書交付後、「短期滞在」からの在留資格変更許可申請に関して、どこにも記述はなく、定めもありませんが、その例外がいつのまにか例外ではなくなり、あたかも原則として、当然のように申請をしている企業様は少なからずあると思います。当方も日本国内での認定証明書交付後の在留資格変更許可申請サポートを行っておりますが、あくまでも特別の事情がある場合に限ります。

先日、企業のご担当者様から、認定証明書交付後の在留資格変更許可申請が不許可になってしまい、どうしたら良いか相談がありました。年に数回、定期的に「技術」、今では「技術・人文知識・国際業務」で受け入れを行い、認定証明書交付後の在留資格変更許可申請が不許可になってしまったのは初めてとのことでした。良くお話しを聞いてみると、認定証明書交付後、「短期滞在」で入国し、入国した時期も認定証明書交付後から約1ヵ月が経過していたそうです。ただ、今まで何も問題なく受付、審査、在留カード交付されていた中で、今回は何故なのか困惑しておりました。不許可になってしまったことで、再度、在留資格認定証明書を取り直さなければいけなくなり、エンジニアとして参加を予定していたプロジェクトの遅れが発生してしまうことになります。

当方としては、あくまでも例外であり、特別な事情がなければ受付してもらえないなどのリスクを説明した上で、認定証明書交付後の在留資格変更許可申請をサポートしておりますが、上記のような相談が今年に入り増えてきていることから考えても、例外に対する対応が厳しくなってきている可能性があります。
現在、クライアントには、原則に立ち戻り、認定証明書交付時に、「短期滞在」で入国していたとしても、在留資格認定証明書を持って、一旦帰国する事をお勧めしております。海外の日本大使館または領事館での査証申請期間は、通常5営業日程度です。日本国内での認定証明書交付後の在留資格変更許可申請は1ヵ月程度かかる場合もあります。そのため、海外で手続きを行った方が、実際に就労が可能となる在留カードを手にするのは早いと思われます。

現在、外国人雇用を実施し、今後も継続して優秀な外国人受け入れを行う企業様にとって、一つの受け入れの仕組みを作り上げることは今以上に重要となってくるはずです。そういった状況の中で、やはり例外はあくまでも例外であり、原則以外の手続きは行わない、対応しない方針を企業全体で徹底することが、外国人雇用のルーティーン化、そして企業発展に繋がってくるのではと考えております。

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ACROSEEDグループプロフィール
日本における外国人の法務サービスに特化したコンサルタント会社です。1986年の行政書士事務所の開業以来、外国会社の日本進出支援、外国人のビザ申請、外国人雇用のコンサルティングなどを25年以上にわたり専門に扱ってまいりました。[http://www.acroseed.co.jp/]  ・メール:contact@acroseed.co.jp ・電話番号:03-6905-6370