青木（敬称略）「外国人旅行客向けのサービスが、ここ2、3年で急激に増えていますが、御社は一早く2013年に創業されてサービス展開しています。会社設立のきっかけについて改めて教えてください」

橋本（敬称略）「私は学生時代から世界中を旅していたのですが、旅行中の出来事は日常生活で体験したことよりも、鮮明な記憶に残っているんです。例えば1年を振り返ったときに、旅先で見たものや食べたものはすぐに思い出せても、日常生活の中で見た映画や食べた料理については、記憶が薄れがちだと思いませんか？ それだけ人生の中に深く刻まれるような豊かな体験になる旅行で、もっと多くの人たちに幸せになってもらいたいと思ったのが、会社設立のきっかけです」

青木「確かに旅行中の記憶は、思い出として長く残りますよね。会社のミッションに『新しい旅のスタイルを創ること』と掲げていますが、一般的に旅のスタイルはどのように変化しているのでしょうか？」

橋本「民泊情報サイト『Airbnb』が登場したことにより、民泊という新しい旅の概念が世界的に普及しましたよね。旅行者の利用目的は宿泊費を安く抑えるだけでなく、特にアメリカでは宿泊先のホストと一緒にご飯を食べたり作ったりしながら、現地の人と交流することを目的に利用されることが多い状況です。そこで生まれた繋がりから、今度は旅行者が母国に帰ってホストの立場になり、旅行先でお世話になった人を招くという新しい旅も生まれていると思います。このように、ITによって旅行業界や旅行のスタイルも大きく変化してきました。弊社もITを使って新しい旅のスタイルを創り出し、旅する人を増やすことに寄与したいと思っています」

青木「さまざまな旅のスタイルが誕生している中で、御社はどのような新しい旅を考えているのでしょうか？」

橋本「当社は今、『トリプルライツ』というサービスで、旅行の最初の日にプロの観光ガイドさんと一緒に旅行するという旅のスタイルを世界中で広めていきたいと思っております。ガイドがいることで、自分では知り得ないそれぞれの場所の魅力や背景などを学ぶことができ、より旅が楽しくなります。まだまだガイドを使う旅行者は少ないので、ガイドと旅する楽しさを知ってもらいたいと思っています。また、私の中の裏ミッションとしては、日本で就業中でも1カ月ほど旅行できるようになったら、すごく素敵な社会になると思っているので、日本でも長期休暇を浸透させたいですね」

青木「御社は、すでに社員が1カ月の休みを取得することが可能な状況ですよね」

橋本「そうなんです。ただし、当社は他社と比べて休日が特別多いわけではなく、長期休暇を取るために祝祭日勤務の代休として、平日に休暇を取得することができます。また、自分が出社しなくても仕事が回るような環境を整える必要はあります」

青木「経営者の目線で見ると、社員が1カ月の休日を取得することに、どんなメリットとデメリットがあると思いますか？」

橋本「会社としてのリスクが、軽減されると思っています。仕事が属人化しないので、担当者以外も業務をこなせるようになりますし、チームとしてタスクを担うことにより、お互いに情報共有できるようにもなります。また長期間旅をすることで、素敵な旅の思い出がたくさんでき、幸せな人生を送れると思っています」

青木「御社には多国籍のメンバーが在籍していますが、社内はどんな雰囲気ですか？」

橋本「社員同士はみんな仲が良く、ランチタイムもほぼ毎日みんなでご飯を食べています。特に日本での就業が初めてのメンバーたちは、日本にいる知人が少ないこともあり、まず同僚から友人になることが多いようです。当社は残業のない会社なので、仕事が終わった後のプライベート時間も、同僚同士で一緒に楽しく過ごしているメンバーも多いです」

青木「仕事も生活も安心できる環境のようですね。今回、Daijob.comのRPOサービスをご利用いただいて採用成功できましたが、いかがでしたか？」

橋本「一番良かったことは、コンスタントに志望意欲の高い人材から応募がきたことです。他社の転職媒体と比べると、Daijob.comからの応募者は日本の方も多く、当社の求人ニーズを読み込んでくださった上で、志望動機もしっかり固まっている方が多かったです」

青木「他社の転職媒体と比べて、求職者の傾向に大きな違いがあったのですね。弊社の営業担当者の対応はいかがでしたか？」

橋本「企業担当の山本さんもRPO担当の加藤さんも、すごくていねいにご対応いただけましたね。こちらの期待を上回るスピード感で、採用活動を進めてくださいました」

青木「今回の採用成功につながった要因は、何だったと思いますか？」

橋本「まず候補者を集める際に効果的だったのは、Daijob.com側で特設してくださった『注目ポイント』ページだと思います。当社の特徴に『社内公用語が英語』『社内メンバーの大半が外国籍』『1カ月の休み取得が可能』『少人数のため裁量権が大きい』の4つがありますが、求職者の方にわかりやすくアピールできるページを作成していただけました。今回、Daijob.com経由で入社した社員は、前職が大手の旅行会社勤務でしたが、当社の少数精鋭だからこそ持てる裁量権の大きさに魅力を感じて入社を決めてくれたようです」

青木「企業様と求職者様とのマッチングがうまくいった結果ですね。採用を担当しているリチャードさんは、どのような面接を行っていますか？」

リチャード（敬称略）「まず英語力をチェックするために、面接は英語で行っています。またカスタマーサービスの心構えをチェックするために、『これまでのクレーム対応経験』や『候補者の方自身にとっての心地よいサービスが、どんなものなのか』について聞かせていただいています」

青木「インターン制度も取り入れていますが、どのように活用していますか？」

リチャード「実務としてお願いしたいことを対応していただいています。例えば、ガイドや旅行客向けのメール作成をお願いし、テンプレートのような文面ではなく、パーソナルなメールのように文面が書けるのかどうかを確認しています」

青木「入社後のミスマッチ防止になりますね。今後の採用計画は、どのように考えていますか？」

橋本「自己実現するためにガツガツしているくらい意欲のある若手や、確固たる価値基準を持っている人を数多く採用したいと思っています。今後も英語力のある人材が必要なので、ぜひDaijob.comさんにお願いしたいと思っています」

青木「ありがとうございます。 今後、どのような会社にしていきたいですか？」

橋本「まだまだ規模が小さい会社ですが、各国の会社の優れているところを全部集めたような会社にしたいと思っています。例えば、それぞれ得意なことを生かして働くことで専門性を高め続けられる仕組みや、家族を大事にできるようオンとオフをきちんと分けて働ける仕組みなど、すでにヨーロッパでは当たり前になっている仕組みを弊社では取り入れています。これら以外にも、それぞれの国の社員からそれぞれの国の優れた仕組みを学び、積極的に経営に取り入れていきたいと思っています」

青木「理想的な会社づくりのため、ぜひ人材採用の側面から、今後もご協力させてください」