今回Daijob.comの活用事例をお聞かせ頂いたのは、世界23ヵ国53都市でサービスオフィス事業を展開するグローバル企業SERVCORPの日本法人であるサーブコープジャパン株式会社様。単なるオフィスレンタルでは無く、高品質な付加価値を提供する事で日本の主要都市にて既に24拠点と事業を拡大している。特に日本では秘書代行付のエグゼクティブオフィスに注力しており、事業拡大と共に日本語をベースとした高い英語力を有する優秀な人材の確保が必要となっている。また、採用方針として人材紹介会社を利用せず、ダイレクトリクルーティングに徹しており、Daijob.comのサービスについては2010年より継続してご利用頂いている。今回は2016年7月に東京都六本木にオープンした新ランドマークTri-Seven Roppongi（トライセブンロッポンギ）のオフィスにて取材させて頂いた。

篠原　「サーブコープ様のオフィスには初めてお伺いしましたが、凄くラグジュアリー感のあるオフィスですね。全てのサービスオフィスが同様のデザインで展開されているのでしょうか？」

六本木 様　「はい。当社は世界各国150拠点23ヵ国で展開する全てのサービスオフィスにてデザインやサービスの品質を全て統一しています。」

篠原　「デザインとサービスの品質両方を統一しているのですか？」

六本木 様　「そうなんです。コンセプトは“エグゼクティブオフィス”で、1名から10名程度の規模感でエグゼクティブの方々に使って頂くことを想定してレイアウトしています。入口を入ってすぐに受付、役員会議室とウェイティングエリアを配置、床は御影石、カーペットは毛足の長いものを使用しています。これは全世界の拠点で共通しています。また当社は単にオフィス環境を提供する会社では無く、お客様がビジネスに集中できる最高のサービス環境を追求しています。それをわかりやすく表現しているのがWe don’t want to be the biggest. But we want to be the best. というスローガンです。ベストなものを提供するにはどうしたらいいかという事を常に考え、サービスを提供していくことが他社との差別化につながると考えています。そして、この中には明確なBestの方向性があり、それは『ロケーション』『契約の柔軟性』『IT』『人』の4つです。」

篠原　「サービスオフィスとしてITを強みとしているのは斬新ですね。」

六本木 様　「ITというのは他社との差別化の大きなポイントとなっています。全世界の拠点で統合ネットワークを導入し、国によるインフラの違いに対応できるように環境を整えています。そのため、お客様はどの国にいても同様のインターネット環境でビジネスを行う事が出来るようになっています。少数精鋭で日本でビジネスを拡大していきたいと考えている企業様にとっては、全ての環境が整っている当社オフィスをご利用いただく事で、時間的制約やコスト削減、立地環境など、いいとこ取りをして頂けると思います。また、顧客企業様が本国とのネットワーク環境設定が必要な場合などは、当社のネットワークエンジニアが直接お客様の本国のエンジニアとやり取りも行います。セキュリティーの問題もクリアするため、エンジニアは全員当社の社員で構成しています。」

篠原　「凄いですね。中国など国外との回線接続が不安定な国でも常に安定した環境で仕事ができるのですね。」

篠原　「Bestな方向性の1つに『人』を掲げておられますが、具体的にはどのような内容でしょうか。」

六本木 様　「ハード面だけではなく、顧客企業様が安心かつ効率的にビジネスを進められるように、バックオフィス業務を強化しています。社内のスタッフは全員バイリンガルですので、外資系企業様のご利用も多いです。特に強化しているのか秘書代行サービスです。英語レベルだとTOEIC800点以上でホスピタリティーやマイクロソフトオフィス等の使用経験、社会人経験、秘書経験がある方に働いてもらっています。顧客企業様ごとにレポートのフォーマットが違ったり、欲しい情報が違ったりすることもあり、また英語と日本語での対応が必要なため、マルチタスク、バイリンガルで業務に対応できる方に勤務して頂いています。この秘書代行サービスはリピーター企業様が多く、スタートアップ企業様が自社オフィスを構えられた後もサービス継続を希望されるケースもあります。また、お客様が海外企業との交渉で出張される時に同行を希望されることもあります。」

篠原　「え、実際に出張するのですか？」

六本木 様　「ええ、実際にありますよ。」

篠原　「そこまでサービスに徹底されているのですね。
しかし、そんなに満足できる秘書を採用するのはかなりハードルが高いのでは？」

六本木 様　「決して簡単ではありません。日本語はマストで更に高いレベルの英語力と、それ以上にホスピタリティーが求められます。もちろん秘書業務の経験スキルも求めます。私がトレーニングと採用を専任でやるようになってからは、採用にも時間をかけて取り組むことが出来るようになりました。もともと当社の採用ポリシーともマッチしているため、特にダイレクトリクルーティングにこだわっています。過去に人材紹介会社を試したこともありましたが、推薦書類上は当社の基準をクリアしていても、実際に面接すると英語力が基準と達していなかったり、入社後にすぐ退職してしまったりと、無駄な工数を要する事が多々ありました。やはり、我々の基準に合う人材は、我々自身で探す事が最も重要で効率的であるという結論に至りました。採用コストも大幅に軽減されますし、離職率も下がりました。ダイレクトリクルーティングに注力する事が人事のコア業務であると認識しています。」

篠原　「昨今採用コストの問題でダイレクトリクルーティングに注力し始めた会社も増えてきましたが、貴社はかなり進んでいますね。」
「ところで、Daijob.comから貴社が望む人材は獲得できているのでしょうか？」

六本木 様　「もちろん。そのために継続して利用しています。
ただ、採用するためには、しっかりと職歴書を確認して 個別にスカウトメールを送信する事が重要です。昨年までは属性を絞りこんでの一括スカウトを送信していましたが、その時は効果が見られませんでした。しかし、一人一人に丁寧にスカウトメールを打つようにしてからは、その後の返信率が格段に増えました。今年に入ってからの採用人数の半数はスカウトメールからです。そういった意味ではスカウトメールは使い方次第で、採用したいと思う人に直接アプローチできるツールだと考えています。一斉に送った機械的なものに反応する人ではなく、その人に合わせて送ったスカウトメールを見て、反応してくれるような人が、「人」のサービスを提供している当社のカルチャーにもあっているんだろうなと思います。」

篠原　「これだけ会社の方針がしっかりしていて、サービス水準が全世界で統一されていると、日本勤務のスタッフもどの国の拠点でも即戦力として働けると思うのですが。」

六本木 様　「その通りです。当社のスタッフは仮に家族の海外転勤などがあっても、その都市に当社の拠点があれば継続して働く事が可能です。また、私は社員トレーニングの担当もしているのですが、日本だけでなく世界各国で同一のトレーニングを実施しています。全てのサービス品質を統一しているので、どの国のオフィスに行っても全く違和感なく働く事が可能です。」

篠原　「いい会社ですね。やはり方針をしっかりと組み立て、サービスの水準を高めると
いうことは、そこで働くスタッフにとっても非常に重要なことですね。」

篠原　「弊社のキャリアフェアにご出展頂いておりますが、効果は如何ですか？」

六本木 様　「まだ2回の出展ですので、少し偏った意見になりますが、直接その場で人に会えるという点が非常に良いなと思いました。またサーブコープとして私たちの顔を見せられるという点は実際に出展してみて実感しました。ブースを通ってくれた人たちが後々私達に興味をもってくれて、応募者として戻ってきてくれればと考えています。そういった意味ではフェアへの出展は採用ブランディングの一貫にもなっています。当日はフロアーマネージャーにも協力してもらい、会社のカラーを来場者に伝えるために、服装も明るめにして、積極的に声をかけるようにしています。」

篠原　「本日は有意義なお話をいろいろご教授頂きありがとうございました。
最後に、弊社の商品やサービスに対してご要望などありますでしょうか？」

六本木 様　「はい、本日お話した通り、当社はスカウト段階から候補者をスキルや経験を顧客管理画面上で検索して適材を探しています。また、探した候補者の職歴書を読み込んで、よりマッチした人材にのみスカウトを送信するようにしています。
そのため候補者にはより詳しく職歴を記載して頂きたいと思うのですが、どうしてもその情報量が少ない候補者が存在します。この部分をDaiob側で改善頂けるとより効果が高まると思います。」

篠原　「なるほど。弊社はより会員が登録しやすいように簡易的な情報でも公開できる仕組みにしていますが、候補者がより企業様からスカウトを受ける機会を増やす啓蒙を更に行う必要があると感じました。
早速、次回の開発要件に組み入れてできるだけ早く実装したいと思います。
本日は本当にありがとうございました。」