正井（敬称略）「パロニム様のことは弊社の谷口から『おもしろい会社がある！』と、話にはよく聞いていたんです。採用についてはDaijob AGENT経由で約1年間に3名という早いペースで決まりましたが、他のエージェントと比べて紹介した人材の数は多かったですか？」

井上（敬称略）「多かったですね。当社を担当していただいている谷口さんは、私たちの会社にカルチャーフィットする方を見極めて、紹介してくださっていたのかなという印象がありました」

谷口（敬称略）「そうですね、私の方では御社の技術に興味が薄い方やカルチャーに合わないと思った方は応募があってもお断りしていました。また逆にスキル面が少し悩ましいものの、御社への強い好奇心があった方は、紹介させていただきました」

井上「御社が持つ人材のデータベースには、当社が求めるスキルを持った方がいらっしゃると思いますが、その中で私たちにカルチャーフィットするのがどんな人なのかは、データでは測りきれないところがあります。その言語化できないカルチャー面についても、谷口さんは深く理解してくださいました」

正井「私たちは谷口のような業界理解の深いエージェントメンバーを、もっと育てていこうと思っているんです。エージェント側も業界理解を深めることによって、企業と候補者のより深い人材マッチングができるようになりますから」

正井「御社のサービスについても詳しく聞かせていただきたいのですが、TIGはこれまで見たことがないような技術ですよね。競合する企業はあるのでしょうか？」

井上「映像内から商品ページにリンクできる動画サービスを提供する企業は数社ありますが、私たちが特にこだわった点は、ユーザーが画面をタップしない限り、視聴を邪魔することなく最後まで映像を見終わることができるところです。他社の動画サービスでは視聴中、ポップアップで情報が出現する作りになっていたりします。ストーリーを分断することがないTIGは、他社のサービスと似て非なるものですね」

正井「動画広告は増えすぎて視聴者からスキップされることも多いですし、最近では動画の表現方法や使い方が見直されていたりしますよね」

井上「そうですね。例えばTIGが導入されている『東京ガールズコレクション』の映像では、『このスカートがほしいな』『このモデルさん誰だろう？』と気になったモノをタップすると映像にその情報がストックされます。コレクション映像を中断せず、見終わってからでも、気になったモデルさんやファッションについての情報を手に入れることができます。その他、遷移先にBGMの情報や会場へのアクセス情報等を付与することも可能です」

正井「画面上のストックリストにどんどん情報がたまっていくUIは、とても珍しいと思いました。TIGの技術を利用したニーズが一番高いのは、どんな領域ですか？」

井上「わかりやすいところで言えばファッション系での活用ですが、最近は教育系からもよくお声がかかりますね。インターネットとタブレット端末は年齢問わず世界中で普及しましたが、情報収集するときの“検索リテラシー”は個人差があります。そこで、気になったものをタップするだけで知りたい情報を得ることができれば、言語や年齢の壁を超えて情報をシェアすることができます。例えば就業マニュアルをTIG付けした動画で作った場合、多国籍の社員向けに各言語バージョンを作成すれば、紙で渡されるよりも就業イメージがわきやすいと思います。アップデートするときも基本データを更新するだけで一括反映できるので、便利です」

正井「人事が喜びそうなツールですね。私たち人材エージェントの現場でも、新入社員へのノウハウ研修を行うときに、ぜひTIGの技術を使った映像を使ってみたいです」

井上「ありがとうございます。その他、TIG技術の特長としては、ヒートマップ機能というものがあります。動画を見ている人がタップする動きを0.1秒ごとにデータ収集できる技術ですね。これは特許を取得済みで、マーケティングデータとして活用ができます。視覚的に表現することができるので、どういったアイテムに興味があるのかなどを分析することが可能となります」

正井「なるほど、ヒートマップでタッチポイントが見られるのはおもしろい技術ですね。その他、自動トラッキングの技術もかなり高度な技術ですよね」

井上「そうなんです。映像の中の画像すべてを解析して追いかけていく自動トラッキングは今年、代表の小林がシリコンバレーでプレゼンした際にも『ここまで突き詰めている会社は見たことがない』と賛辞をいただきました」

正井「それはすごいですね！ グローバルなリーディングカンパニーからも、注目されそうな技術ですよね」

正井「今後、特に力を入れていこうと思っているサービスは何ですか？」

井上「5G時代が到来すると、『高速・大容量化』『低遅延』『同時多接続』という特徴により、静止画や紙で表現しているコンテンツも動画にどんどん変わっていくと思うので、さらに動画が果たす役割は増えていくと思っています。すでに『TIG magazine』という当社編集のメディアをスタートさせていますが、web広告、デジタルサイネージ（電子看板）や人材採用の領域にもサービスを浸透させながら、どんなプラットフォームでも技術提供できるようにしたいと思っています」

正井「プラットフォームを自社で持たずに、自社のサービスをさまざまなプラットフォームに提供した方が、サービスは広がっていきますよね」

井上「そうですね。 TIGの技術はまだまだいろんなサービスに発展していく可能性があります。電子書籍に動画を埋め込むことができるので、アパレルブランドのスタイルブックに利用して商品の質感や雰囲気をよりリアルに表現することもできます。まだ開発途中ですが、観光案内として設置されているサイネージの映像で気になる場所をチェックすると、QRコードでその映像情報を自分の端末に読み取って持ち帰れるサービスにも取り組んでいます」

正井「各地域の観光地で使えそうですね」

井上「私たちはTIGの技術が普及した方が、世の中が便利になると信じています。様々な分野やグローバルに利用されるプラットフォームでもぜひご利用いただきたいと思っています」

正井「今後、プロダクトが市場に広まっていくにつれて、ますます人材が必要になりそうですね」

井上「当社はベンチャー企業で規模も社員数もまだ20名程ですが、各メンバーの得意分野をお互いに活かし合いながら業務を行っています。営業や開発は引き続き人材を募集しているので、今後ともよろしくお願いします！」

正井・谷口「今後ともぜひ、よろしくお願いします！」