あなたは息長く働けますか? – パート2

パート 1 では働く女性がぶつかる結婚や子育てにまつわる 「壁」 について私の経験等を含めてみなさんとシェアさせていただきました。パート 2 では子供の就学、受験、そして夫の転勤に関してお話していきたいと思います。

働くお母さんの中では、子育てと仕事の両立を続けていく上で、第一の関門が子供の保育園入学、そして第二の関門が小学校入学とよく言います。この小学校という節目で仕事を辞めていったお母さん方を何人も見て来ました。小学校が保育園と大きく違う所が、自分よりも早く子供が帰宅してしまう事です。学童があれば学童に通わせる事になるのでしょうが、必ずしも学童が学校や家の近くにあるとは限りません。小学校 1 年生ではまだまだ小さい子供です。学校と学童、そして家が遠いとそれだけで彼らにとっては一苦労。学童によっては母親達の参加を求める学童もあります。お菓子を用意したり、学童の運営を手伝ったりと何かと忙しくなります。保育園探しの時と同様、小学校時期をどうこなして行くかを効率よく戦略たてていくことをお勧めします。

小学校は幼稚園に比べ、朝も遅めの始業になります。ということは親が先に家を出て、その後子供が戸締りをして学校に行く事になります。 1 年生にしてみればこれは大変な大役です。特に大きなランドセルやたくさんの荷物が 1 年生にとっては苦労の元となっているようです。大きなランドセル、荷物、鍵、そしてマンション等の自動ドアがどれだけ 6 歳児にとって難関かを考えてながら、就学前から少しずつ練習をしておくとよいかもしれませんね。

さて皆さん、これはご存知ですか ? 三年生まで学童があっても4年生になると学童がなくなってしまいます。 かといって 4 年生になったら急に一人で留守番ができるようになるものでしょうか ? そんなことありませんよね。兄弟がいればまだよいのでしょうが、最近は一人っ子が多いものです。もし働き続けるのであれば、学校終了後、親の帰宅まで誰が子供と一緒に居てあげられるか等を事前によく考えておく必要がありますね。

私の場合は親に甘えに甘えさせてもらい、母親にすべて見てもらうことが出来ました。子供は帰宅したらお婆ちゃんが家にいて、夕食も食べさせてもらうことが出来たのです。親の存在がなければ私が働き続ける事はかなり難しいことになっていたでしょう。

そうこうしている間に、子供はあっという間に大きくなってきます。みなさんは子供の受験をどのように考えていますか ? 高校受験ともなれば勉強も子供本人に託される部分が多いので、ママが働き続ける「壁」には特にならないかもしれません。しかし、小学校、中学校受験であれば話は変わってきます。小学校受験であれ、中学校受験であれ、親が協力してあげられる環境とそうではない環境では、結果がだいぶ違ってきてしまうでしょう。親の協力があったほうが無いよりも有利なことは確かです。私の会社の人で子供の中学受験のために退職を願い出たところ勤務短縮という形で働くことを継続できる人がいました。そのお母さんは 10 時から 3時まで出勤し、お昼も机でとるようにして仕事をこなしていました。みごと子供も中学受験に成功し、今でもそのお母さんは仕事を続けています。働き続けられるなら短縮時間でもよいから働き続けたほうがスキルの停滞にもならないし、周りの人間とコンタクトし続けられるので、短い期間の事であれば、私は短縮しても働き続けたほうがよいのではと考えています。

就学、受験、そして更なる「壁」の一つが夫の転勤です。みなさんはご主人が突然転勤になったらどうしますか ? 自分のキャリアをとるか、家族をとるかの選択とは、とても苦しい選択ですよね。幸い私自身この選択にせまられた事はないのですが、もしそうなったとしたら私は夫と一緒に行く事を選択すると思います。自分のキャリアよりも家族が一緒にいる事が大切ですからね。共働きの場合、どちらかが転勤になる可能性は 2 倍に増えるわけで、その時どう対処するかどうかは事前に話し合っておけるとよいですね。

結婚、出産、就学、受験、夫の転勤、女性には多種多様な「壁」があるのが現実です。もちろんすべて女性側でクリアしなくてはいけない「壁」ではないと思います。家族で話し合い、一つ一つクリアして息長く働けるとよいですね。
 

横浜 リサプロフィール
横浜で育った浜っ子。中学3年生から親の仕事の関係で海外進出。英語がまったく話せないところから、体当たりで学ばされ、今では日本語より英語のほうが得意になるほど成長。アメリカ、シンガポール、香港等海外に居住経験10年以上。外資系金融会社にて20年以上の勤続。母として仕事と家庭の両立をはかりながら、主にオペレーションを専門とし、現在は日系の金融にて日々精進している。外資から日系に転職した逆輸入型。