2025年12月、グローバル人材の求職者動向〜マーケティング・IT職が前年比35%超の急増、生成AIとの「共生」がキャリアの必須条件に〜

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2026年1月、グローバル人材の求職者動向〜金融・サービス職種が大幅増、「2025年の崖」を越えたIT人材の流動性が加速〜

ヒューマングローバルタレント株式会社が運営するバイリンガル転職サービス「Daijob.com」は、2026年1月のグローバル人材の動向をまとめた「Daijob.com求職者動向レポート」を発表いたしました。


グローバル人材動向について:ここで指すグローバル人材とは、Daijob.comに登録しており、英語・日本語ともにビジネスレベル以上の言語能力を持つ人たちです。この対象者の中で、特定の期間中に「応募履歴がある」または「スカウトメールに興味を示した」ユーザーの動向を分析しています。

【主なトピック】
・前月比:前月比分析:金融・リテール職種が牽引する新春の流動性
・前年同月比:前年同月比分析:IT関連の構造的需要とクリエイティブ職の選別鮮明化


前月比:前月比:新春のキャリアチェンジ、金融・サービス職種が牽引するアクティブ層の急増

2026年1月の前月比データでは、金融/保険/不動産系(31.1%増)やサービス・リテール系(15.8%増)が顕著な伸びを見せました。また、求職者数で最大のボリュームを占めるIT関連(6.6%増)も堅調に推移しています。

一方で、エグゼクティブ/経営(16.4%減)やマーケティング/PR(13.3%減)は減少となりましたが、これは年度末に向けた現職でのプロジェクト完遂を優先する「キャリアの地固め」の動きと推察されます。

2026年1月の「求職者数」動向比較(前月比)

前月比12月

前年同月比分析:IT関連の構造的需要とクリエイティブ職の選別鮮明化

長期的なトレンドを示す前年同月比では、IT関連(16.1%増)が二桁成長を維持しており、グローバルIT人材への根強い需要が裏付けられました。また、電機・機械(9.3%増)も継続的な伸びを見せています。

対照的に、クリエイティブ(38.5%減)は大幅な減少となりましたが、これはAIツールの普及による業務効率化が進み、単純な制作スキルから「戦略的クリエイティブ」へと市場の要求水準が高度化したことによる、求職者のスキル再定義期間(リスキリング期)に入ったものと考えられます。

2026年1月の「求職者数」動向比較(前年同月比)
前年比12月

◇ 2026年初頭の労働市場における「専門性の再分配」
2026年という新たなフェーズに入り、グローバル人材の動きには明確な意図が見て取れます。単なる「年始の転職活動」という枠組みを超え、各業界の構造変化に伴う大規模なスキルの再配置が始まっています。

1. 金融・不動産セクターにおける「金利ある世界」への適応と人材流動化
金融/保険/不動産系が前月比31.1%増という驚異的な伸びを見せた背景には、国内金利の本格的な変動に伴う業界再編と、それに伴う専門人材の流動化があります。2025年後半からの利上げ局面を受け、日本の金融市場は「ゼロ金利時代の運用モデル」からの脱却を余儀なくされました。この歴史的転換点において、外資系・国内系を問わず、金利上昇シナリオにおける資産運用、リスク管理、およびヘッジ手法に精通したバイリンガル人材の需要が急増しています。

特に不動産セクターにおいては、資金調達コストの上昇に伴うポートフォリオの再構築が急務となっており、グローバルな投資家に対して透明性の高い説明ができるアセットマネジャーや、クロスボーダーでのディール組成能力を持つ人材がより良い条件を求めて市場へ流出しています。これは一時的な動きではなく、日本の金融市場が正常化へ向かう過程での「専門性のリバランス」と捉えるべきでしょう。求職者側も、自身のスキルが「金利ある世界」でどれほどの市場価値を持つかを試す、極めて攻めの姿勢に転じていることがこの数値に現れています。

2. 「2025年の崖」克服フェーズにおけるIT人材の継続的流入
経済産業省がかつて警鐘を鳴らした「2025年の崖」という節目を越えた今、IT関連(前年比16.1%増)の増加は、単なる欠員補充ではなく「ポストDX」を見据えた戦略的な動きです。2025年までにレガシーシステムからの脱却を果たした企業と、対応が遅れて維持コストの高騰に苦しむ企業の二極化が鮮明になりました。現在、市場を動いているのは、前者の「勝ち組企業」でシステム刷新を完遂させた経験を持つ、実力派のエンジニアやプロジェクトマネジャーたちです。

彼らが求めているのは、単なる保守運用ではなく、生成AIの基幹システムへの統合や、自律型エージェントを活用した業務プロセスの完全自動化といった、より高度で先進的なプロジェクトです。特にバイリンガルIT人材は、海外の最新技術ドキュメントやアーキテクチャをいち早く取り入れ、日本国内の現場へローカライズする「ブリッジ」としての役割を期待されています。この1月の増加は、2025年までのシステム刷新バブルが一段落し、次なる破壊的イノベーションの担い手たちが、より大きな裁量と最新技術環境を求めて「第二のDXフェーズ」へ移行し始めた証左といえます。

3. インバウンド需要の質的変化とサービス職の意欲向上
サービス・リテール系(前月比15.8%増)の増加は、単なる労働力不足の解消という文脈ではありません。訪日外国人観光客の消費行動が「モノ消費」から「コト消費」、さらには「超富裕層向けのエクスクルーシブな体験」へとシフトしたことで、現場に求められるスキルの基準が劇的に変化しました。東京都産業労働局の雇用動向調査でもサービス業の求人倍率は高水準ですが、現在動いているグローバル人材は、単なる接客担当ではなく、LTV(顧客生涯価値)を最大化させるカスタマーサクセスの概念を持ったプロフェッショナルです。

高級ホテル、ラグジュアリーブランド、プライベートバンキングに近いコンシェルジュサービスなどにおいて、異文化理解と高いホスピタリティを兼ね備えた人材の争奪戦が起きています。求職者側も、自身の言語能力とサービススキルが「安価な労働力」としてではなく「高付加価値な体験の提供者」として評価される市場を選別し始めています。この1月の伸びは、春の観光シーズンや新年度に向けた企業の採用意欲の高まりに対し、キャリアの「格上げ」を狙う層が敏感に反応した結果であり、サービス業における人材の質的転換を象徴しています。

4.エグゼクティブ層の「戦略的待機」と決算期への備え
エグゼクティブ/経営(16.4%減)およびアドミン系(11.6%減)の減少は、一見すると市場の停滞に見えますが、コンサルタント視点では「極めて合理的な戦略的待機」と解釈できます。3月決算企業が多数を占める日本市場において、経営層や部門長クラスにとって1月は、当年度の着地を確実なものにし、次年度の事業計画を策定する最も責任が重い時期です。このタイミングでの離脱は、キャリアにおける「信頼」を損なうリスクがあるため、優秀なリーダーほど現職での職責を全うすることを選択します。

また、日本国内において4月は「年度初め」として、企業の組織再編や新規事業の立ち上げが最も活発化する時期です。東京商工リサーチの調査(※1)によると、企業の「社名変更」や「組織改編」を伴う登記は4月に集中する傾向があり、同時に厚生労働省の「雇用動向調査」(※2)においても、4月は年間で最も入職・離職が活発な時期であることが示されています。エグゼクティブ層は、こうした市場の大きなうねりが来る1月時点では、水面下でヘッドハンターとの面談を進めるにとどめ、公的な動きを控えることで、4月入社に向けた「溜め」を作っているのです。

※1 参照元:東京商工リサーチ「2024年『社名変更』企業調査」 https://release.nikkei.co.jp/attach/678274/01_202409111357.pdf

※2 参照元:厚生労働省「令和5年 雇用動向調査結果の概況」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/doukou/24-2/index.html

まとめ
2026年1月は、金融やサービスといった「経済の血流」を支える職種で大きな動きが見られた一方、IT関連が安定した成長を維持し、次なる技術革新への準備を整える結果となりました。

  • 企業への提言: ITや金融分野で「攻め」の姿勢を見せる優秀層が市場に供給されています。彼らは「2025年の崖」を乗り越えた後の次のビジョンを求めています。自社がいかに先進的で、個人の専門性を尊重する環境であるかを言語化し、迅速な意思決定でオファーを出すことが求められます。
  • 求職者への提言: 市場は「専門性の再分配」の真っ只中にあります。単に英語ができる、ITができるという段階は終わり、それを「どのビジネス課題(金利対応、AI実装、富裕層体験など)に適用できるか」が問われています。自身のスキルを特定領域のソリューションとして定義し直すことで、年収とキャリアの双方で飛躍的なステップアップが狙える好機です。

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