Daijob.com登録者に独自調査
【はじめに】
2015年9月に国連総会で決められた、2030年までの達成を目指す国際社会の共通目標であるSDGs。2020年度版の国際レポートによると、日本の達成度は17位になっており※2、目標までに取り組む課題が多く残されています。そこで、国際社会での仕事を希望する人が多く集まる「Daijob.com」で、SDGsに対する意識調査を行いました。
※1.グローバル人材:Daijob.comに登録しているバイリンガル人材とする。
※2. 2020年6月に公開されたSDGsの達成度・進捗状況に関する国際レポート「Sustainable Development Report」を参照。
【本調査の概要】
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【期間】2021年4月9日~12日
【対象】Daijob.com登録者
【方法】メールによる任意回答
【人数】385人(日本国籍・200人 外国籍・185人)
※質問により未回答もあるため、集計結果は必ずしもこの人数と合致していないことをご了承ください。
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■調査結果
1.グローバル人材のSDGsに対する関心度は高く、認知が74%、興味ありも82%
SDGsについて、グローバル人材は74%の方が「知っている」と回答しました。インターネットリサーチ会社「楽天インサイト」によるSDGs認知度調査※3では、「よく知っている」と「聞いたことがある」を合計して、50%となっており、一般的な認知度と比べて約1.5倍になっています。「興味あり」の人材も82%にのぼり、興味を持ったのは以下のようなきっかけでした。
※3.出展元:楽天インサイト2021年1月28日付けの調査結果より https://insight.rakuten.co.jp/report/20210128/
■SDGsに興味を持ったきっかけ
・日本では、誰もがどこでも働く機会がありますが、外資系企業であっても、ジェンダーギャップを感じる時があるため(日本)
・前々職での環境に関する研究室への営業を通して知った(日本)
・大学の授業(ベネズエラ)
・地球の資源を持続するための研究や対策、世界平和のための生活を気にかけているため(ネパール)
・国際機関で、私たちが直面している課題の解決に向けて、科学の面から協力する仕事をした経験があるからです(イギリス)
これらの回答例を始め、本アンケートに回答したグローバル人材は、メディアからの情報に加えて、自分が所属する会社や担当業務として、SDGsの興味・関心を高める人が多い結果となりました。
2.グローバル人材は、転職先を選ぶときにもSDGsの取り組みを約60%が考慮に入れている
転職活動の目的はキャリアアップや年収アップなど、人によってさまざまな理由がありますが、SDGsの取り組みについても、転職先の検討項目として、59%の方が「考慮にいれる」と回答しました。その理由は以下になります。
■転職先のSDGsに対する取り組みを考慮する理由
・誇りを持って働きたいため(ブラジル)
・持続可能な社会やビジネスを築くためには、必須要件だと考えるから(日本)
・取り組まない会社は、今後取り残されると思うから(日本)
・仕事は普段の生活の中で大きな割合を占めるので、社会全体のゴールと一致している会社で働きたいです(フランス)
これらの回答を始め、本アンケートの回答には、SDGsの課題について「自分自身も課題解決のために行動を起こしている」または「行動を起こしていきたい」と考えている人の意見が、多数ありました。
3.グローバル人材が働く企業で、最も取り組まれている課題は「ジェンダー平等を実現しよう」
外資系38%を含むグローバル人材が勤務している会社(または直近まで就業していた会社)を対象に、17個あるSDGsの目標のうち、最も取り組まれていた目標について聞いたところ、「5.ジェンダー平等を実現しよう」が、最も多く取り組まれていました。日本はジェンダーギャップ指数が世界で120位になっており※4、主要7カ国(G7)の中では最下位になっています。アンケート回答者は日本在住・日系グローバル企業勤務の人材が半数以上だったため、日本で暮らす上で特に取り組むべき目標だと認識されていることがわかりました。
※4.世界経済フォーラム(WEF)による「ジェンダーギャップ指数2021」の調査データより
■調査結果を受けて
ヒューマングローバルタレント株式会社 代表取締役 / 一般社団法人外国人雇用協議会 理事 横川 友樹
本調査では各企業のSDGsへの取り組みが、転職先を選ぶ際にも影響力を持つようになってきたことが、明らかになりました。Daijob.com登録者であるグローバル人材は、大学の専攻科目として各国の社会課題について学んだ経験がある方や、日々取り組む仕事の中で、SDGsの目標達成につながる行動をしている方々が、非常に多く見られました。最近では、人材の定着率向上のために、SDGs と日常業務の結びつきをPRする企業も増加しているため、社会課題への取り組みが優良人材の獲得につながり、さらには各企業の事業発展になることを願っております。
なお当社では、SDGs の目標にある「働きがいも経済成長も」と「人や国の不平等をなくそう」を重点的に取り組んでおり、女性管理職の割合が38.4%になっています。これは2020年に「帝国データバンク」が調査した企業平均である7.8%と比べて、とても高い状況です。引き続き、ステークホルダーの皆さまと、サステナブルな社会の実現に貢献していきたいと思います。