【独自調査】英語力と高年収の関係 ~コロナ禍においても英語力の高い40・50代女性は女性平均年収の約1.6倍~

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2022.01.31

Daijob.com登録者の調査レポート

 ビジネス・プロフェッショナル×バイリンガルのための転職・求人情報サイト「Daijob.com」を展開するヒューマングローバルタレント株式会社(本社:東京都新宿区、代表取締役:横川 友樹、以下「当社」)は、同サイト登録者の英語力および企業からのスカウトデータ(※1)をもとに、英語力が年収に与える影響について独自調査を行いました。

【調査結果のポイント】
■企業からスカウトを受けた人材の約90%以上が英語レベルビジネス会話以上(※2)
■英語力の違いによって、50代の男性で1.3倍、40、50代の女性で1.6倍の年収差(※3)
■最終経験職種別の平均年収を英語力別で比較すると、「エグゼクティブ/経営」と「電機(電気/電子/半導体)」が、1.8倍の年収差

※1.スカウトとは、Daijob.comに求人掲載している企業が、同サイトに会員登録し匿名履歴書を公開している求職者に対して、求人の応募を促すサービス。
※2.英語の日常会話レベルをTOEIC(R)475~730点、ビジネス会話レベルを735点以上と定義しています。
※3.国税庁による「令和2年分 民間給与実態統計調査」の平均給与をもとにしています。

【はじめに】
 外資系企業の年収は日系企業よりも高いイメージを持たれており、Daijob.com登録者を対象に当社が過去に行った調査でも、英語力の高い人材の方が英語力の低い人材よりも、高年収になる傾向が見られました。
https://hrclub.daijob.com/report/120722/)コロナ禍においては、外資系・グローバル企業の求人が一時的に減少する状況にもなりましたが、人材の動向はどうだったのでしょうか? 先行き不透明な状況においても、企業からスカウトを受けていた人材の傾向を英語力別に調査しました。

【調査の詳細】
期間:2020年10月~2021年9月
対象:Daijob.comに掲載している企業からスカウトを受けた日本国籍で20代~50代のDaijob.com登録者
方法:WEBフォームによる回収
人数:14,008人(男性・6,271人 女性・7,737人)

【調査結果】
1. 企業からスカウトを受けた人材の90%以上が英語レベルビジネス会話以上

「英語力と年収の関係2021年度

 Daijob.com登録者で企業からスカウトを受けた人材(日本国籍)は、約90%以上が「英語レベルビジネス会話以上」で、主に30代のミッドキャリア層が中心、女性が10%ほど多い結果になりました。

2. 英語力の違いによって、50代の男性で1.3倍、40、50代の女性で1.6倍の年収差

「英語力と年収の関係2021年度2

 男性と女性に分けて、企業からスカウトを受けたビジネスパーソンの平均年収を比較すると、男性は30代で一時的に国税庁の調査結果の平均を下回るものの、それ以外の年代では英語が「ビジネス会話レベル以上」の人材の年収が高く、50代では国税庁の調査結果に比べて1.3倍多い結果になりました。また、女性の平均年収の比較では、全年代を通して英語が「ビジネス会話レベル以上」の人材の平均年収が高く、40・50代では国税庁の調査結果と比べて1.6倍の差が開きました。

 英語力による年収差は、男女ともに20・30代では大きな差がないものの、年齢が上がるにつれて年収差が開いていきました。特に女性は、英語力を活かして仕事をすることにより、生涯年収で大きな差が生じることが、この調査結果から明らかになりました

3. 最終経験職種別の平均年収を英語力別で比較すると、「エグゼクティブ/経営」と「電機(電気/電子/半導体)」が、1.8倍の年収差

「英語力と年収の関係2021年度3

 最終経験職種別の平均年収を英語力別に分けたところ、1職種を除いて、ビジネス会話レベル以上の方が平均給与が高い結果となりました。一番大きな差が開いたのは、「エグゼクティブ/経営」で1.8倍です。英語力を活かしたグローバル規模の企業経営や成果主義によって、高年収を得ていると推測します。

同じく1.8倍の差が開いた職種には、「電機(電気/電子/半導体)」もあげられます。国をまたいだ電機・電子部品の開発プロジェクトの進行や、生産設備の管理など、英語力+特殊な知識を活かすことにより、高年収を望むことができると考えられる結果となりました。

【本調査の属性】

「英語力と年収の関係2021年度4

≫調査対象の特徴
今回の調査対象者は、ほぼ日本在住者で、大卒以上のミッドキャリア人材でした。

【調査結果を受けて】
ヒューマングローバルタレント株式会社 代表取締役 / 一般社団法人外国人雇用協議会 理事 横川 友樹

 年収は、「会社」対「個人の能力」の需給バランスによって決まってくることが伺えます。仕事を行う上で、英語力はビジネスツールの1つになり、そのツールを持つことで、キャリアの選択幅は大きく広がります。特に40・50代で英語力の高い人材は、国内の人材市場において希少価値の高い語学力に加え、各分野のキャリアを積まれることで、さらに希少価値が高まっていきます。一方、現在の日本において、若い世代はまず仕事を覚えながら自律することが優先され、英語力による職務上の責任は、あまり問われない傾向にあります。ただし、今後グローバル化がさらに進み、日本国内でもジョブ型雇用が推進されるに従い、個人の能力を年齢で画一的に捉えることが減少し、‟個”で捉えられるようになると予測しています。英語力の有無により、若手のうちから、ますますキャリア形成に差が生まれることになっていくと考えています。