日本における外国人の受入れ環境は、2019年に入り施行された新在留資格「特定技能」や大卒留学生の就職機会が拡大する法務省告示の改正など、大きく変化しています。今回のシンポジウムは早々に申込人数が定員数に達し、関係者の関心の高さをうかがえました。当日は200名以上の参加者が来場し立ち見も出るほどの大盛況の中、以下の登壇者によりディスカッションが行われました。
【パネルディスカッション】
「企業における外国人受入れの現状と課題」
【登壇者】
一般社団法人外国人雇用協議会代表理事
原 英史(政策工房 代表取締役社長)
一般社団法人外国人雇用協議会理事
後藤 裕幸(株式会社グローバルトラストネットワークス代表取締役社長)
篠原 裕二(ヒューマングローバルタレント株式会社代表取締役)
柴崎 洋平(フォースバレー・コンシェルジュ株式会社代表取締役社長)
松田 秀和(ゴーウェル株式会社代表取締役社長)
【モデレータ】
石山 杏樹(一般社団法人パブリックミーツイノベーション代表理事、一般社団法人シェアリングエコノミー協会政策渉外部長)
ディスカッション中はモデレータの石山氏から「企業が外国人を受け入れていく上で変わったこと、変わってないと感じることは何か?」と投げかけられ、篠原は“変わったこと”として「2016年から外国人ITエンジニアの採用ニーズが急増した。今後はIT職種以外でも、採用ニーズは増えていくと予測している」と述べました。一方で“変わらないこと”として、「日系企業は業務に対しての明確なミッションを提示する力が弱い。しかし、多国籍の人材を活かすためには必要不可欠である」と変化の必要性を説きました。
また「受入れ企業の制度によって、解決していけることは何なのか?」という問いかけについて篠原は、「外国籍のメンバーを“外国人”と一括りにして捉えるのではなく、それぞれの文化背景にあるものは何なのかを知ろうとすることが大切。海外で就労経験のある社員は、外国籍メンバーの共感力があるため、円滑な職場環境づくりのキーパーソンになる」と経験談を交えて語りました。
続いて、外国人雇用協議会顧問であり公益財団法人日本国際交流センター執行理事の毛受敏浩氏による「外国人受け入れ新政策~日本の未来はどう変わるのか?」をテーマにした講演も行われました。外国人の日本定住が進んでいるため、「今後の日本には新しいビジネスが誕生する可能性に満ちていること」や、「日本がどんな国になるのかもっと議論していく必要性がある」とおっしゃっていました。
シンポジウムの最後には、外国人雇用協議会の発起人であり理事も務める竹内幸一氏が、同協議会の初代会長である故堺屋太一氏の思いを継ぐべく、「日本が誇れるおもいやりと素晴らしい教育を持って、さらに私たちが多様性と意外性を身につけたら、楽しい社会をつくれるのではないか? そのために外国籍人材をもっと自分たちの仲間にしていこう!」と強く呼びかけシンポジウムは終了となりました。
■セミナー概要■
【日時】
2019年6月26日(水)16:30~19:00
【場所】
ビジョンセンター 永田町
【参加者数】
200名以上
【参加者属性】
代表取締役、事業部長、人事など
【外国人雇用協議会とは?】
日本の言語・文化・ビジネス習慣に通じた質の高い外国人が、日本のビジネス社会で最大限に活躍できる環境を整えるため、2016年4月に設立。主に以下3つの役割を担っています。①政府の政策・制度の改善、②企業側の受入れ環境の整備、③日本のビジネス社会に適応できる外国人材の育成。
協議会の会員を募集しており、政策提言や情報提供、会員交流などの入会特典も用意されています。
Official
https://jaefn.or.jp/