シェアハウス賃貸運営オンラインプラットフォーム

シェアハウス
2017.06.30

日本でもシェアハウスが定着したが、今回、紹介するのはオーナーから物件を預かり、家具や家電を装備し、借り手を見つけて、その後の管理まで、シェアハウス運営を丸ごと引き受けるスタートアップである。
 アメリカでは従来、ルームメート探しは(有名な)電子掲示板が主流だった。しかし、利用者の質がピンキリで(犯罪者も)、かつ一連の手続きが非常に面倒である(たとえば、内見アポをすっぽかす輩などゴロゴロいる)。
 頻繁に転職や転居を繰り返す若者には、通常一年の賃貸契約は長すぎ、転居の度に家具や電気・インターネットを移動するのも面倒すぎるのだ。(なお、アメリカでは家具のレンタルも定着している。)
 そこで生まれたのが、この世代をターゲットに、長期の賃貸契約は不要で、身一つで転居でき、すべてオンラインで完結するサービスである。
 なお、民泊は主に短期向け、従来の賃貸物件は長期で、賃貸期間2~4ヵ月という物件は限られており、穴場市場である。(ノマド生活を送る筆者は、米内外各地で中期物件を借りるのだが、供給数が少なく、常に苦労する。民泊・バケーションレンタルは中期で借りると割高で あり、かつ2~3ヵ月連続で借りるには半年以上前に予約を要する場合が多い。)

Bedly

URL https://bedly.com/
企業名 Bedly Inc.
本社所在地 ニューヨーク
創業 2015年
代表 Martin Greenberg(CEO兼共同創業者)
Benjamin Chester(COO兼共同創業者)
フェイスブック https://www.facebook.com/BedlyTeam/
ツイッター https://twitter.com/bedly
取扱物件数 ニューヨークとボストンで計 350 戸
会員数 借主累計 1000 人以上
従業員数 12人
資金調達 2017年4月、シード資金270万ドル

 

 
■ 創業経緯
既存の賃貸市場は旧態依然で、若い(ミレニアム)世代のニーズを理解していないという思いから、同世代向け賃貸物件サービスを思いつく。

■ 仕組み
若者向けに、主にシェアハウスの賃貸プロセスを簡素化したサービス。
米東西海岸都市では1DKのアパートが一ヵ月3000ドルほどするため、ルームメートととのシェアが主流。

取り扱い物件の 95%が家具付きで、シーツや台所用品も完備。
全物件が光熱費・Wifi込み。
借主は身一つで入居できる。

大半の物件は入居前に内見できず、入居までの手続きはすべてオンラインで行われる。
物件はすべて電子錠なので、入居時も暗証番号が発行されるだけ。

月極または3ヵ月以上の賃貸契約。(通常の賃貸契約は最低一年が主流。)
一部屋最低 900 ドル、1200~1500 ドル以上が主流。

月極の場合、月150ドル増し。
家賃は部屋ごとなので、同じ家やアパートでも部屋によって家賃は異なる。

家賃の支払はクレジットカードまたは銀行引き落としのみ。
家賃の支払や修理依頼など、すべてオンラインで行う。
物件を気に入らなければ Bedly の他の物件に転居可能で、新たに入居審査を受けたり、保証金を払う必要はない。


物件例

ニューヨークやボストンでは、こうした部屋が月 1200~2000 ドル。
トイレ・浴室は、2~6人でシェア。


室内は3Dや動画でも閲覧可能

特徴
物件は、すべて男女混合。

ペット、喫煙禁止。
宿泊客を呼ぶ場合は24時間前にルームメートに知らせるなど全物件共通のハウスルールあり。

入居時間(午後3~10時)や退去時間(午前10時まで)も定められている。
入居者(ルームメート)退去時には、Bedly がリビングや台所などの共有部分を清掃。

自分の家具を持ち込むことは可能だが、備え付けの家具の移動は借主の負担。

借り手にとってのメリット
・身一つで入居でき、転居も容易。
・長期の賃貸契約に縛られることもない。
・他の米都市と違い、東海岸の都市では、不動産業者を通じて賃貸した場合、手数料は借り手が支払う習慣。Bedly では手数料不要。

オーナーにとってのメリット

・家具や家電を装備から、借主探し、入居審査、運営まで丸ごと委託できる。
・アパートを丸ごと貸すよりも部屋ごとに貸す方が儲かるのだが、運営が非常に煩雑になるため敬遠する大家は多い。手間がかからず現状以上の利益が得られるのなら、Bedly のようなサービスを利用するメリットあり。(筆者はアメリカでの賃貸経営歴15年。)

Bedly ではデベロッパーとも提携し、アパート一棟を Bedly 仕様にし、物件管理も行う。

■ 収入モデル
オーナーから手数料。

■ 今後の展望
先月、調達した資金で、両都市での掲載物件増、借り手増を図る。
他都市への進出は、その後。

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有元 美津世プロフィール
大学卒業後、外資系企業勤務を経て渡米。MBA取得後、16年にわたり日米企業間の戦略提携コンサルティング業を営む。 社員採用の経験を基に経営者、採用者の視点で就活アドバイス。現在は投資家として、投資家希望者のメンタリングを通じ、資産形成、人生設計を視野に入れたキャリアアドバイスも提供。在米27年。 著書に『英文履歴書の書き方Ver.3.0』『面接の英語』など多数。