前回と同様、今回、紹介するのも人材採用にアルゴリズムを用いたスタートアップ企業だが、同社は人材募集だけでなく、人材採用の全過程を自動化し、SaaS(Software as a Service)を提供している。
■ Gild
URL | http://www.gild.com |
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企業名 | Gild Inc. |
本社所在地 | サンフランシスコ ミラノにも拠点。ソフト開発の50%はミラノで。 |
創業 | 2011年 |
代表 | Sheeroy Desai (CEO兼共同創業者) Luca Bonmassar(CTO兼共同創業者) |
フェイスブック | https://www.facebook.com/Gild |
ツイッター | https://twitter.com/gild |
顧客数 | フェイスブックやマイクロソフトなど 1,200社以上(2015年時点) |
資金調達 | VCより計 2,600万ドル以上 |
■ 創業経緯
ITサービス企業出身の共同創業者2人は、元々、ソフトエンジニア向けコーディングサイトを立ち上げたが、雇用者向けにソフトエンジニアのプロフィールを提供することに専念。
元々、ソフトエンジニアの検索エンジンを開発。その後、機能を追加。
また、ソフトエンジニア以外の職種にも拡大。
2015年、BI機能を加え、人材採用全過程を自動化。
■ 仕組み
人材採用の全過程を自動化
○ 求人広告
自動的に、適材をひきつけるのに最適のジョブタイトルや求人広告を作成し、複数のジョブボードに掲載。
○ 人材スカウト
人材推薦エンジンが、自動的にリンクトインなどのSNSやGitHub などのIT技術者コミュニティ、80サイトからユーザーのプロフィール情報を収集し、人材候補のプロフィールを作成。(「その人材はギルドされた(gilded)」という。)
たとえば、人材候補が複数のツイッターアカウントを所有していた場合、複数のアカウントからその候補のプロフィールに情報がとりまとめられる。
さらに、同社の特許取得技術を用いて、候補の知識・スキルや転職市場の需要をスコア化。
各人材候補と関係を築くCRM的機能も提供しており、どの人材が転職に興味があるか、いつ連絡すべきかなども提示する。また、Gildから人材候補のメルアドにメールを送ることができる。※1
※1:眠っている人材発掘にリンクトインを使う転職エージェントが増え、定型メッセージを大量に配布するエージェントもおり、リンクトインのメッセージ(in message)は無視する人材も増えている。なお、つい昨年ほどまでは「人材採用といえばリンクトイン」だったのが、リンクトインはすでに”古い技術”と見なされ、(主に海外市場の低迷が原因で)株価も暴落している。
○ 人材候補管理(ATS)
人材候補の情報は自動的に更新。(既存のATSの人材データは、通常、入力時のままで自動的には更新されない。)採用チーム全体と情報共有し、プラットフォーム上での協働が可能。
○ 面接スケジュール、オンライン面接機能
人材候補の面接を自動的にスケジュールし、ビルトインのオンラインビデオシステムを使って面接を行える。ビデオシステムはどのブラウザーでも利用可能で、人材候補はソフトをダウンロードする必要はない。
○ 共同フォローアップ
統合されたメッセージングシステムで、採用チームはコメントやアラート、メールを使って連絡を取り合える。
人材候補に関する評価は、他のメンバーの意見に左右されないよう、採用チームメンバー同士の評価は見えないようになっており、採用決定者は各メンバーの率直な意見を入手できる。
○ 分析・レポート作成(BI)
分析機能によって、人材をスカウトするための最適のソースを見極められ、カスタマイズレポートを作成し、データを基に採用戦略の調整が可能。各ポジションに対するROI(投資対効果)も可視化できる。
■ 機能一部紹介
・ 知識・スキル(Expertise)や転職市場での需要(Demand)、転職意欲(Availability)をスコアで表示。
・ 人材候補の情報が収集されたソース(ソーシャルサイトなど)を表示。
・ 質問への回答やブログなどを通じ、人材候補がネット上で寄与したトピックをキーワード表示。
(画像はすべてgild.comより)
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