以前から、一部の国や企業では週休3日制(週4日勤務)が導入されていたが、今回のパンデミックを機に、働き方に対する考え方が変わり、昨年から、週休3日制に移行する企業が増えている。
パンデミックによって一気にテレワークが広がったが、在宅勤務で労働時間が増えたり、仕事とプライベートの境界があいまいになったりして、メンタルヘルスへの影響が各国で伝えられている。そうしたマイナス面への対応としても、週休3日制が採用されている。
・週休3日制がニューノーマルになる日も?
今では定着している週休2日だが、そもそもその始まりは、1926年、ヘンリー・フォードが長時間働いても生産性はそれほど伸びないことを知ってから、フォードモーター社で週5日、一日8時間勤務を導入したのがきっかけだという。なお、それまでに比べ、勤務時間は減ったものの、給料は変わらなかった。日本では1965年に松下電器産業が導入し、その後、80年代に広く普及した。
週休2日が世界的に広がったように(新興国には土曜日勤務の国も多々あるが)、アメリカで100年前に始まった慣習が、時代の流れとともに変わり、21世紀には週休3日制が定着することになるかもしれない。
2019年にイギリスのビジネススクールが行ったアンケート調査では、回答企業の63%が、週休3日制の方が「人材を採用しやすく、かつキープもしやすい」と答えている。テレワークが人材を引きつけるためのインセンティブとして使われ始めているように、今後、週休3日制も、優秀な人材を採用するために各社が競って導入するようになることも考えられる。
・国家主導
日本政府も、多様な働き方が可能な環境を整えるため、希望者は週休3日で働ける「選択的週休3日制」の導入を検討しているが、ヨーロッパを中心に、国家主導で週休3日制を導入する国が相次いでいる。
・アイスランド
アイスランドでは、2015年から2019年にかけて、労働組合などの要望で、首都レイキャビック市と国によって週休3日が試験導入された。目的は、ワークライフバランスの向上だけでなく、生産性の維持または向上でもあった。給与はそのままで、週40時間勤務が週35~36時間勤務に短縮された。
就労人口の1%にあたる2500人が参加し、勤務時間が9時~5時のオフィスワーカーだけでなく、高齢者施設や病院など変則的シフト勤務の就労者も含まれた。
労働時間を短縮しながら生産性を保つために、各企業では、会議よりもメールでのやり取りを奨励するなど会議を減らし(午後3時以降の会議は禁止した職場も)、休憩時間も短縮して、プライベートの用事は勤務時間外に限定するなどの策が講じられた。
試験導入の結果が発表されたのは、今年6月なのだが、週休3日で生産性を保ちながら、就労者の健康や幸福感、ワークライフバランス向上させることができたという。今では、就労人口の86%が、労使交渉を通じ、実際に労働時間の短縮をしたか、短縮する権利を得ている。
他のヨーロッパ(※1)
パンデミックをきっかけに、今年に入り、スペイン政府が、3年にわたる週休3日の試験導入を決定した。そのために、社員を増員したり、ワークフローを再編成しなければならない企業には、EUコロナウイルス復興基金を利用して、政府が資金を提供する。週休3日の試験導入が全国規模で行われるのは、スペインが初めてとなり、イギリスなど導入を検討している国が注視している。
つい最近では、スコットランドが週休3日制の試験導入を発表した。現政権が選挙公約と挙げていたもので、給与は変わらず、労働時間を2割削減するものだ。
※1.アメリカは、OECD諸国で唯一有休や有給の育休が義務付けられていない国で、また連邦制であることもあり、国(連邦政府)が主導して、こうした政策を導入することは、まずない。各企業に任せるのが基本。
・企業主導
実は、各国政府が週休3日を促進する以前から、週休3日制を導入する企業は、世界各国に散見された。
海外で、週休3日勤務の先駆者として、よく挙げられるのは、日本マイクロソフトだ。同社では、2019年の夏に、働き方改革、「ワークライフチョイス」推進の一環として、週休3日を試験導入した。全社員が「短い時間で働き、よく休み、よく学ぶ」ことにチャレンジし、生産性や創造性のさらなる向上を目指すものだった。その結果、前年同時期に比べ、勤務時間は25時間以上減ったものの、生産性は大幅に伸び、また、電気代を23%削減することができたという。
しかし、実際には、日本では、2015年に、すでにファーストリテイリングが、全従業員の2割にあたる転勤のない地域正社員に対し、1日10時間の週4日勤務を導入済みであった。佐川急便も、ドライバー不足を解消するために、2017年にセールスドライバーが週休3日を選択できるようにした。他にも、パンデミック以前から週休3日制を導入している日本企業が数々ある。
2020年には、みずほファイナンシャルグループが、社員が週休3~4日を選択できる制度を導入した。さらに、今月(2021年9月)、塩野義製薬も2022年から希望社員に週休3日制を導入すると発表した。
欧米でも、パンデミック以前から、IT系スタートアップ企業を中心に、週休3日制を取り入れていた企業はあった。週休3日といっても、勤務時間や休みの日は、各企業によってさまざまであり、週休3日を夏季に限っている企業もある。
ここでは、欧米の企業が、どのような形で週休3日制を導入しているかを紹介する。
1)金曜(または)月曜が休み
一番よく見られるのは、会社全体で土日以外に金曜(または月曜)も休むという形だ。土日のうち一日は、家事などの用事でつぶれることが多いため、もう一日休みがあることで、心身を休めたり、家族と過ごす時間が増えたりして、月曜(または火曜)にはリフレッシュして職場に戻れるというメリットがある。
・総勤務時間は変わらず
イギリスには、2011年から週休3日制を導入している企業がある。オーストラリア本社の生産性向上を専門とするコンサル・研修会社で(社員数50人以下)、創業者が「頭を使う仕事では、週に30時間働くと疲れる」という研究結果を知ったことから、週休3日制を試験的に1ヵ月導入することにした。
試験導入後、社員アンケートをベースに、生産性とストレスのレベルを測定したところ、週30時間勤務でも、週40時間勤務と同じ成果を得られる一方、週30時間勤務の方が社員の幸福感が高いという結果が得られた。生活の質が向上すると同時に、勤務時間が限られているので、社員の仕事への集中度も向上したという。
同社では、当初は、月~木は勤務時間を少し長めにしていたが、その後、一日8時間勤務に変更した。月に一度、金曜も勤務するため、月の勤務時間は変わらないという。そのため、給料も変わらない。
・総勤務時間短縮
休みを金曜にするか月曜にするかを社員が選べる企業もある。社員58人のアイルランドの人事研修会社では、2019年に週休3日制を試験導入した。月曜から木曜まで働くか、火曜から金曜まで働くかは、社員が決められるという。週5日勤務に比べ、一日の勤務時間は少し長くなったが、週39時間勤務が36時間になったため、月単位では12時間減ったことになる。しかし、「以前と同じ量の仕事をこなす」という雇用契約のため、給料は変わらない。
試験導入の結果、売上が30%増える一方、コストは12%減り、生産性は27%向上した。また、社員のエンゲージメントやウエルネス評価は、30%以上向上し、突発的な社員の退職もなくなったという。
・週32時間勤務
フィラデルフィアの小さなIT企業でも、2018年に週休3日制を試験導入した後、うまく行ったため、本格的に導入するに至っている。元々、創業者が「人間の頭脳は、一日に4時間以上は深い思考が必要な作業はできない」という本を読んだのが導入のきっかけだったという。週32時間勤務で、基本的に金曜が休みだが、カスタマーサポートなどチームによっては、休みが月曜になる場合もある。また、開発チームは、緊急案件に対応できるよう、金曜日は交代で出勤するという。
以前よりも短い時間で同じ仕事をこなさなければならないため、社員は作業をする前に、「なぜ、これをしなければならないのか」を常に考えなければならなくなり、時間を制限することで、働き方において自らに挑戦する面もあるという。
なお、週休3日に移行しても、一日の勤務時間は8時間のままで、週32時間勤務というのが一番多くみられるパターンである。
2)水曜が休み
土日以外に週半ばに休み、リフレッシュして、週の後半を終えるという企業もある。その方が、頭が冴えて、集中力が増し、効果的に働けるという。
建築業界向けソフトを提供するサンフランシスコの企業では、2016年の創業時からずっと週休3日で、週32時間勤務だったという。最初の社員を雇ったときに、ワークライフバランスを会社のコアにすることに決めたそうだ。
一日休みが増えることで、社員の成長にもつながり、ひいては会社の利益にもつながっているという。たとえば、エンジニアが 休みの日にオブジェクト指向プログラミングに関する本を読んだところ、1週間以内に、そのエンジニアが学んだことを会社で活用することができ、新たな機能をリリースする時間が半減したというのだ。
3)交替で勤務
スペインのIT企業でも、2020年1月から週休3日制を取り入れたところ、1年後、パンデミックの最中に、前年比、欠勤率が28%削減。離職率も30%削減したという。社員アンケートでは、満足度が10点満点中、8.9点、顧客アンケートでも、サービスの質に対する評価が8.64点で好評だった。
週休3日制の導入時、社員を2つのグループに分け、顧客との接触がない部署は、月曜から木曜勤務で、金曜を休みとした。顧客と接触する部署は、交替で、毎週、休みの日が違う。こうした勤務体制を実現するために、社員数を15%増加したという。
このように、週休3日に移行することで、新たな費用は生じるが、それ以上の利益が得られるというのが、週休3日を採用した企業に共通して見られる。
4)自由選択制
カナダのIT企業では、昨年から週休3日制を取り入れたが、個々のニーズに合わせられるよう、社員は平日だけでなく、週末に働くこともできるという。
5)夏季限定
週休3日を夏に限定して導入する企業もある。夏だけに限定することで、ご褒美感があり、社員は皆、夏を楽しみにするという。また、夏が終わって週5日勤務に戻ると、作業時間が1時間増え、おまけ感もあり、夏とその他の時期でメリハリもできるという。
アメリカでは、5月~8月を夏時間として、週休3日、週32時間勤務を採用するIT企業がある。勤務時間が週一日減ることで、社員は、仕事の優先順位をつけ、より速く仕事をするのではなく、より賢く仕事をするようになったという。
カナダのEコマースプラットフォーム(Shopify)では、昨夏、週3日制を導入した。一日の勤務時間も給料も変わらず、週32時間勤務だったが、売上は増し、社員にも好評だったため、今夏も、週休3日制を採用したという。
保守的業界
上記の例でも見られるように、パンデミック以前から週休3日を導入していた企業の大半が、小規模(社員100人未満)のIT系企業だが、ニュージーランドには、19世紀に創業した老舗で、週休3日制を導入している企業がある。
社員250人のエステートプランニング(遺産相続計画)企業では、「就労者が生産的でいられるのは一日3時間まで」という研究結果を読んだ社長が、社員のワークライフバランスを向上させるといった理由ではなく、好奇心で、2018年に週休3日を試験的に導入した。週32時間勤務で、給料は変わらないというものだ。
導入後、自然に会議は減り、社員によるソーシャルメディアの利用も減った。仕事に集中するために、机に「邪魔しないで」という旗を挙げる社員もいたという。短い時間で仕事を終わらせるために、社員同士の雑談も減ったというのだ。勤務時間の短縮によって、効率的に働くことに対しインセンティブが生まれたというわけだ。
また、試験導入の結果、社員のストレスレベルが下がり、仕事への満足度やワークライフバランスが向上した。導入前は、「ワークライフバランスを保てている」と答えた社員は54%だったが、導入後には78%に増加した。
顧客の間でも評判がよかったことから、その後、希望する社員に対し正式に導入するに至った。なお、週休3日制を希望しない社員も、渋滞を避けたり、子供の迎えのために早めに退社したりするなど柔軟な働き方が可能である。
<国際的な試験運用>
同社の経営者は、こうした経験から、世界的に週休3日制を広めるために非営利団体を設立している。
同団体では、来年4月から9月にかけ、アメリカとアイルランド(イギリス、ニュージーランドを含む)で、希望する企業を集め、半年にわたる週休3日制の試験運用を行なう予定だ。(企業募集および研修は、今年9月から始まっている。)
参加企業には、週休3日制をうまく導入するために、主にバーチャルで、研修やメンタリングを提供する。また、アカデミアの研究者が、参加企業に対し生産性を測定するメトリックスを設定し、モニターを行ない、試験期間後、各企業に対しアセスメントも行うという。
・法律事務所
保守的な法律事務所でも、週休3日を取り入れているところがある。週末も働くのがあたり前で長時間労働で知られる弁護士だが、カナダの(家族法・移民法専門の)法律事務所では、今春、週休3日制を、まず一カ月試験的に導入することになった。(オーナーも12人の弁護士の大半も女性。)
同事務所のオーナー自身が、最初に働いた法律事務所で二年目の頃、過労とストレスで心身ともに支障をきたし、上司に週休3日にしてもらえるよう掛け合ったところ、給料が20%減らされたという。しかし、週4日勤務でも、それまでの(クライアントへの請求時間)ノルマを達成し、その事務所でもっとも稼ぐ弁護士だった。その時に、週休3日を3ヵ月経験したのが、それまでで一番幸せで、生産的で、仕事に集中できたという。
8年後、自分の法律事務所を開設し、幼児を抱えているため、週休3日で働いていたが、自分だけでなく、雇っている弁護士やスタッフも皆、週休3日にできないかと思案した。コロナ禍のストレスで、メンタルヘルスに支障をきたす若い弁護士が出たことも一因だった。
弁護士は時間単位でクライアントに請求するので、週休3日になれば、最悪、純利益の10%を失うと試算したが、長期的なメリットの方が、それを上回ると結論づけた。弁護士やスタッフが離職した場合、代わりを雇うには数カ月かかり、その間、クライアントからのクレームにも対応しなければならず、クライアントを失う恐れもある。週休3日によって、離職率が下がれば、純利益10%の損失以上の利益が得られると見たのだ。また、週休3日によって、優秀な弁護士を雇いやすくなり、弁護士が増えることで収益は増加する。
こうして、週休3日制を導入すると発表した際、大半は非常に喜んだが、一番喜ばなかったのは若い独身の弁護士だという。裁判を控えていれば、休んではいられないし、休みもないくらいバリバリ働いて、キャリアを構築したい時期なのだから無理もない。しかし、週休3日は選択制で、週休2日を続けたければ続けられる。(元々、弁護士は、雇われていても、自由裁量の効く職種なので、週休3日制を歓迎したのはスタッフだったという。)
どの日を休みにするかは、どの企業も迷う点である。金曜を休みにした方が週末が長くなっていいのだが、3日連続休みの間にメールや仕事がたまる恐れがあり、月曜に出勤した際にストレスを生む要因となる。そこで、1ヵ月の間は試験的に水曜を休みにして、うまく行かなければ金曜を休みにすることにした。
ただし、週休3日といっても、水曜に事務所を閉めるわけではなく、水曜も受付は出勤し、電話に応対。その代わり、別の日に休む。緊急案件があれば弁護士に連絡する。
出勤日は、勤務時間を1時間増やして、8時~5時または9時~6時にして、週36時間勤務とした。これによって、事務所の営業時間は9時~5時から8時~6時となって、2時間増えることになり、クライアントには歓迎された。
1ヵ月の試験導入後、弁護士の顧客への請求額は、週休2日のときよりも、平均して13%増加したという。勤務時間が減ったことにより、より集中して仕事をするようになったのと、以前ほど疲れていないため、より生産的になったからだ。クライアントへの請求額(売上)が増えたことにより、純利益も12%増加したのは、予想外だったという。
1ヵ月後に社内アンケートを行なったところ、弁護士もスタッフも、ほぼ全員が、以前より心身ともにエネルギッシュとなり、非常に満足していることがわかった。こうして、同法律事務所では、今夏から、正式に週休3日制を導入することになった。
なお、社員が「週休3日は、当然の権利ではなく、特典である」と認識することが重要だという。
・大手企業
これまで見てきたように、週休3日制を導入している企業の大半が小規模企業である。しかし、日本の大手企業でも導入しているところがあるように、パンデミックを機に、大企業でも導入するところが出てきている。
昨年、ロンドン本社の大手メーカー、ユニリーバが、勤務時間短縮に取り組むことを宣言し、12月から、ニュージーランド支社(社員81人)で、週休3日の1年の試験導入を始めている。「今後は、勤務時間ではなく、成果で評価したい。週4日で週5日勤務と同じ仕事をこなせるのなら、給与を減らす必要はない」という方針で、給与は、これまでと変わらない。
同社では、ニュージーランドでの試みが成功すれば、他国の支社でも週休3日を取り入れるという。
給料は変わらないのが基本
みずほや塩野義では、週休3日制を導入するのは、子育てや介護、学習機会を支援するのが目的とはいうが、勤務時間に合わせ給料が減額されるという。(週休3日でも、給料は変わらない日本企業もある。)
上述のように、欧米の企業で週休3日を導入しているところで共通しているのは、週休2日時と給料は減らない点だ。一日の勤務時間も増えず、週32時間勤務に減らしているケースも多々みられる。
多くの企業が、週休3日制を導入する理由として、社員がパンデミックでストレスを抱えて疲れているため、休みを増やすことで、リフレッシュしてもらい、出社時には、よりよい形で仕事に集中してもらうことを挙げている。社員のメンタルヘルス、ライフワーク・バランスを考えてのことだが、結局は、それによって社員の生産性が増し、会社の収益につながるからだ。
・勤務時間以外による人事評価
世界数カ国に1000人の社員を抱えるドイツのアフィリエイトマーケティング会社でも、2020年に試験導入した後、今年、本格的に導入した。
パンデミックでテレワークが基本となっため、勤務時間ではない方法で社員を評価する必要が生じ、KPI(重要業績評価指標)による評価が基本となった。テレワークでも週休3日制でも、成果さえ出せれば、勤務時間も勤務場所も関係ないということだ。
サービス業
テレワークが普及しても、テレワークが不可能な業種や職種があるように、週休3日制も、すべての業界や職種に適しているわけではない。
2019年に行なわれたイギリスのビジネススクールのアンケート調査では、週休3日制を導入していない企業の82%が「社員が顧客に応対できることの方が、社員が柔軟な働き方をできることよりも重要」と答えている。(※2)
アメリカには、ファーストフード・チェーンで週休3日を導入した企業がある。全米で340店を展開する企業で、店舗マネジャーを採用するのに、2019年に一部の店舗で試験的に導入した。マネジャーは週4日、一日10時間就業するというものだった(つまり、週40時間勤務は変わらない)。社員からは、週に一度は子供の送迎ができたり、子供を預けるのが一日減るため、出費が減るというメリットが歓迎された。
試験導入がうまく行ったため、同社では、週休3日制を全米164店のうち3分の1に拡大した。それに対応するため、食材の供給トラッキングにはコンピューターソフトを利用するなど自動化が推進された。
しかし、今年、コロナの影響で、試験導入は、いったん中断されている。現在、アメリカの飲食業界では、人出不足が著しく、スタッフ不足のために営業日や営業時間を削減している店もあるほどだ。
同社では、新たに社員を採用し、キープするために、今年、賃上げを行なうという。賃上げ以外にも、採用時にボーナスを提供したり、マネジャーに対しては携帯料金や音楽デジタル配信の料金を払ったりするという。人出不足の中、人材をひきつめるためには、週休3日よりも賃上げが有効だと見なしたのだろう。
アメリカでも、長時間労働として知られる飲食業界だが、柔軟な働き方が奨励されているものの、実際に導入するのは難しいと言われている。
※2.Henley Business School, University of Reading, “Four-day work week:a flexible approach”
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