皆さん、こんにちは。
日本ES開発協会の金野です。
2010 年に入り、私たちは、ES の更に先にある概念として「 SS (社会的満足 Social satisfaction )」という考え方についてお伝えする機会が増えています。
SS とは、環境の問題や社会的課題(貧困や雇用など)を解決し、持続的に成長する社会を創り出すことです。
企業においても、「環境の問題や社会的課題を解決する」というエッセンスを加えた商品サービスを提供することで、自社のビジネスと SS の考え方を結びつけ、”持続的に成長する組織”を実現することができると言われています。
私たちが取り組んでいる ES の分野は、その SS を実現する「志の大きい会社」として持続的な成長を実現するための組織づくりの役割を担っています。
そこでまずお伝えしたいのは、この「 SS 」という概念を経営に取り込むことによって、組織としては次のようなメリットがあるということです。
1. 自社の求める人材像に合致した優秀な人材を採用できる
2. 自社の仕事を通して人間的にも成長できる土壌ができ社員が定着する
3. 特にリーダー層や中高年社員が“社内起業家”として社会とつながりを持ちながら自律的に働くことができる
中小企業こそ、このメリットを活かさない手はありません。
多様な価値観をもった社員や、インターネット等でもたらされる膨大な情報など、今私たちの職場は複雑な関係性の中で仕事が繰り広げられています。
そのような中で、磁石に引き寄せられる砂鉄のように、目指すべき方向に向かって社員も組織も前進し成長し続ける状態を創るためには、
● 情報の共有化
● 社員の主体性
● ストーリー性
という 3 つのポイントを盛り込んだ取り組みを進めることが重要です。
その一環として、「クレボリューションプログラム」というものがあります。
「クレボリューションプログラム」とは、ダイアログ(対話)の手法を駆使し、組織(社員自身)の声を引き出しながら、社員自ら”志の大きい会社”づくりに参画することを促す弊社独自のプログラムです。
具体的には、「 ES クレド」を軸とした活動を進め、リーダーを社内起業家として育成するための組織開発の取り組みであると言えます。
主に、以下の観点から活動を進めていきます。
【 (1) 個々のつながりの強化】
:ありがとう運動、NG ワード撲滅運動、社内通貨制度等、職場の風土改善の取り組み
⇒ 自社の成長の礎となる組織文化が明らかになり職場内に良い“企業 DNA ”が増える
【 (2) サーバントリーダーシップの強化】
:未来の経営ビジョン作成、アクティブミーティング、インバスケットテスト、社員手帳の作成等、リーダーが主体的に取り組む活動
⇒ リーダーシップが発揮され組織内のつながりが強まる
【 (3) マネジメントの強化】
: ES クレドの作成、ES向上型人事制度の構築
⇒ 組織と社員の成長が相互に促進される
例えばある会社では、社員数が 15 名程の小規模の組織ですが、二代目の若手社長を中心とした結束力と機動力のある組織を創ろう、ということで、(3) の ES 向上型人事制度の構築から進めていきました。
そのプロセスで ES クレドを作成し、評価制度に組み込むことはもちろんですが、新人事制度が導入されてからは、「アクティブミーティング」という活動を進め、クレドの浸透をはかっています。
それによって、社員皆が「どうすればもっと良い会社にすることができるのか」を真剣に考えるようになり、その変化は社員のあいさつや職場内の整理整頓、部署間の連携などにも良い効果として表れるようになりました。
上記でお伝えした“ 3 つの観点”については、会社の組織風土や成長段階に応じて、どの部分からテコ入れをしていくべきかというのは変わってきます。
この会社の例で言うと、小規模の組織ではありましたが、既に二代目に代替わりしているという
創業年数の大きさや比較的若手社員が多くチャレンジ精神が旺盛という組織風土から、人事制度を構築した上でクレドの浸透を進め組織の成長を促進させる、というプロセスがうまくまわっていったのです。
そのため、以前もこのコラムでご紹介した、組織の現状把握=「 ES 組織診断」が必要となるわけです。
次回からは、(1) (2) (3) 3 つの観点のそれぞれについて、事例を含めてその考え方をご紹介していきたいと思います。
★皆さんのご意見・ご感想がございましたらお気軽にお問い合わせ下さい。
→ 〈 info@jinji-roumu.com 〉