近年のグローバル化に伴い、教育機関は勿論のこと、企業でも英語を学ぶ必要性が高まっております。弊社でも語学講師の在留資格のお手伝いをさせていただくケースが増加しており、主に弊社で取り扱う1.2.の在留資格について、実際の事例を含めてご紹介させていただきます。
1.「教育」
小学校・中学校・高等学校等で、語学教育その他の教育をする場合
例:中学校の語学教師
2.「技術・人文知識・国際業務」
公私の機関との契約に基づいて行う、外国の文化に基盤を有する思考もしくは感受性を必要とする業務に従事する場合
例:英会話スクールの語学教師
3.「教授」
大学・高等専門学校等において研究、研究の指導または教育をする場合
例:大学教授
まず、語学講師を雇用する上でどの在留資格が該当するのかは、申請人が『どこで』就労するかによって、適切な在留資格が定まります。おおまかに言うと、学校法人で就労する場合は「教育」、英会話スクールで就労する場合は「技術・人文知識・国際業務」の在留資格が該当します。そのため、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で英語講師として英会話スクールで就労している方が、退職後、学校法人で就労する場合、「技術・人文知識・国際業務」から「教育」への在留資格変更許可申請が必要となります。
もし、申請人が他にもアルバイトで語学を教えたい場合、申請人がお持ちの在留資格及び、どこでアルバイトをするかによって、追加で「資格外活動許可」申請が必要な場合もございます。そのため、「教育」の在留資格をお持ちの方が、英会話スクールで週1回アルバイトをする場合、「教育」の在留資格は学校法人で就労するためのものですので、英会話スクールでの就労は認められておりません。この場合、別途「資格外活動許可」申請をし、就労前に許可を得る必要がございます。同様に、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で英会話スクールにて就労している方が、アルバイトで学校法人でも語学を教える場合にも、「資格外活動許可」申請が必要となります。資格外活動許可を得た場合、申請人のパスポートに小さなシールが貼られますので、就労前にそちらをご確認していただくことをおすすめしております。また、資格外活動許可が必要ないケースとしては、「技術・人文知識・国際業務」の在留資格で英会話スクールにて就労している方が、別の英会話スクールでアルバイトをする場合は『英会話スクールの語学講師』という同様の活動内容ですので、資格外活動許可は必要ございません。
弊社で実際にお手伝いさせていただいたケースをご紹介いたします。
1.インターナショナルスクールでフィリピン国籍の方を英語講師として雇用したい
英語講師を雇用する場合、基本的には英語を母国語としている方が望ましいです(例:アメリカやイギリス等)。最近ではフィリピン留学など、フィリピン国籍の方が英語講師として活躍していますが、入管はフィリピンの母国語を『タガログ語』としています。そのため、フィリピン国籍の方が英語講師としての在留資格を申請する場合、英語を母国語とする方に比べて、審査は厳しく、また長くかかる傾向がございます。そのため、これまでの英語講師としての詳細な職務経歴書や大学で英語を専門に勉強していたこと、教員に関わる免許の書類を提出することにより、無事に許可を得ました。
2.タクシー会社で英語講師を雇用したい
学校法人や英会話スクールだけではなく、一般の企業でも在籍社員に英語を教える目的で、英語講師としての在留資格の許可を得ているケースもございます。その場合、英語講師を雇う必要性及び業務量を入管に証明しなければなりません。近年外国人観光客が増えていることや今後の東京オリンピックを見据えて、タクシー運転手が英語を使用する機会がさらに増加することを示し、その企業の英語講師として、フルタイムで勤務させる予定であることを示す資料を提出することで、無事に許可を得ました。
このように、一概に語学講師といっても、契約内容や稼動先等によって必要な在留資格の種類やお手続きが変わりますので、語学講師の雇用をご検討される際には、今回の内容を含めて検討していただければと思います。
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