世界的に人手不足に苛まれるホスピタリティ業界、各国の現状については、一年前に報告した。その後、コロナによる入国制限は撤廃され、世界的に観光業は急速に回復し、富士山や京都を含め、人気の観光地では、オーバーツーリズムの問題が再燃している。
日本でも、旅行需要が急速に回復する中、宿泊業、飲食サービス業での就業者数は、コロナ前に比べ減少したままで、人手不足は深刻化する一方だ。今年5月時点の調査で、全国のホテル・旅館の9割近くが人手不足を感じていたが、(※1)7月に行われた京都市の調査でも、観光事業者の7割以上が人手不足を感じており、とくに接客面(46%)で不足しているという。 (※2)京都市では、宿泊業、飲食業の4割ほどが、コロナ前よりも従業員が2割以上減ったといい、他業種よりも多くなっている。
他国の状況も似たようなもので、コロナで大打撃を受け、就業者数が激減したものの、コロナ禍が落ち着けば、以前のようにホスピタリティ業界にも人材が戻ってくると思っていた関係者は少なくなかった。しかし、未だに求人は埋まらず、次第に、現状がニューノーマルであることを受け入れ、新たに手を打たなければならないという危機感がつのっている。
アメリカ
米国旅行協会では、ホスピタリティ業界では、未だ120万人の求人が埋まらないままだという。今年8月に埋まったのは4万人のみで、他の業界に比べ求人が極端に多い状態が続いている。他の業界では、求人数は、2021年3月以来最低の水準で落ち着いているというのにだ。
アメリカのホテル業界では、賃上げの結果、賃金は業界史上最高額に達している。福利厚生や労働環境も改善しているにもかかわらず、今年、全米ホテル・ロッジング協会(AHLA)が会員企業をアンケート調査したところ、人手不足のホテルは、今年1月に78%だったのが、6月には82%に増加している。(※3)
会員ホテルの75%が賃上げを行ない、64%が勤務体系をより柔軟にし、36%が福利厚生を充実させているにもかかわらず、回答ホテルの87%が「求人が埋まらない」と答えている。人手不足が一番深刻なのは客室清掃(ハウスキーピング)部門であり、一年前の報告時に比べ、状況は、あまり好転していない。今年も「人員確保が最大の懸念」という状態が続いている。
コンシェルジュの不足も顕著で、ニューヨーク市では、ほとんどの一流ホテルがコンシェルジュを募集しているという。コロナ前の人数に戻したいとは思っても、コンシェルジュの国際的な協会、レクレドールのアメリカ支部の会員は、コロナ前には600人だったのが、今では400人まで減少している状態だ。2022年には、宿泊施設や飲食店を含むホスピタリティ業界では、回答企業の半数近くが従業員の25%以上を失うという事態に陥った。
こうした中、回答企業の77%が必要な人員を確保できずに売上機会を逃しており、半数以上が5%以上の売上機会の損失に見舞われているという。人件費など経費が高騰する中、売上機会の損失は続いており、厳しい経営状態を強いられている。
※1. ダイブと全国旅館ホテル生活衛生同業組合連合会青年部の共同調査。5月15日~26日に調査、有効回答318件。
※2. 京都市観光 協会。「観光業界における人手不足についての臨時調査の結果について」6月に京都市内の観光関連事業者152を調査。
※3. 2023年5月3~9日に474の宿泊施設を調査。
ヨーロッパ
ヨーロッパでは、2022年から今年にかけて、ホスピタリティ市場はコロナの痛手から回復を見せていたものの、その後、エネルギー費の高騰などで、今では人手不足と並んで、インフレによるコストの急騰が大きな懸念となっている。2022年秋に業界経営者などを対象に行われた調査でも、2023年の最大のリスクとしてコスト増が挙げられた。(※4)
経済の見通しが悪化する中、昨年から「大きな買い物は控える」という消費者が、とくにイタリア、イギリス、ポーランド、デンマーク、ドイツで増えている。2022年10月には、「ホテルに滞在するつもり」という消費者は、イギリス、ドイツで、それぞれ40%、32%に下落した。(ドイツ経済は、2022年四半期からマイナス成長で、IMTによると2023年実質GDP成長率は、22ヵ国中、唯一マイナス成長の見通しである)
ホテル業界にとってのリスクとして、業界経営者の83%が「コスト増・インフレ」、83%が「熟練労働者の不足」を挙げた。次いで、「人件費の高騰」(76%)、「金利の上昇」(74%)が挙げられ、コスト増への危機感がうかがえる。
なお、人手不足は、とくに観光業がGDPに占める割合の高いスペインやポルトガルで深刻で、この状態は2025年まで続くと見られている。
※4. Deloitte “The European Hospitality Industry Outlook” 2023年1月。2022年9月から10月にかけ、オーナー、経営者、融資業者、開発業者、投資家など100人以上を調査。
対応策
こうした人手不足に対する各国での取り組みは、前回報告したが、その後、新たな動きも出ている。
どの国も、ホスピタリティ業界は、もともと低賃金で職場環境が劣悪で、安定したキャリアが築ける分野だとは思われていない場合が多い。そこで、とりあえず人手をかき集めるというその場しのぎの解決から、長期的に業界のイメージを向上させ、就業者がキャリアパスを描けるようにしようという取り組みが見られる。
賃上げ
日本でも、人手不足解消のために取り組んでいることとして「賃金水準の向上」を挙げる事業者が多い(京都市の調査では52%)。しかし、それにもかかわらず、就職希望者が集まらないという声も多い。
アメリカでは、インフレに伴う賃上げ続きで、ホスピタリティ業界では、すでに史上最高の賃金水準に達している。しかし、人手不足の状態は好転しておらず、コスト増が経営を圧迫し始めており、賃上げに依存しない新たな戦略が模索されている。
賃金上昇の激しいカリフォルニアの大都市では、人員カットや営業時間短縮を行う飲食店も出てきており、賃上げが雇用の促進に対しマイナスの影響を及ぼし始めている。
アメリカでは、ウォールマートをはじめとする量販店が、時給社員の離職を阻止するために賃上げや福利厚生の改善などによる従業員の囲い込みを行っており、ホスピタリティ業界では、こうした大手量販店とも人材獲得を競わなければならない状態である。小規模飲食店が、こうした大企業と競うのは、ほぼ不可能である。
スペインの飲食店では、昨年、賃金が大幅に上がったが、それでも月18万円ほどで、賃金の一番低い業界であることに変わりはない。ポルトガルでは、さらに低く、14万円ほどである。経営者からは「今まで、低賃金を長年、続けてきたツケが回ってきた」という後悔の念が聞かれる。
・賃上げを促す業界団体
アメリカには、そうした小規模飲食店が賃上げをできるよう支援し、雇用を促進しようという飲食店オーナーによる団体がある。もともと、人種差別や性差別などのない公平な職場環境を推進するために発足した団体で、今では、全米の1000店近くの飲食店が、同団体の趣旨に賛同している。
同団体では、コロナ禍で大打撃を受けた飲食店に対する助成金を提供している。コロナ禍では、日々の食事もままならない業界就業者に食事を提供していたが、今では、コロナで失業した業界就業者の雇用を促進している。
公平(生活可能)な賃金の普及を目指し、小規模の飲食店がスタッフの時給を15ドルに上げれば、3300ドルを支給するというものだ(使途に制限はなし)。差別防止に関する研修を修了すれば、さらに3300ドル支給し、同団体が掲げる差別のない職場環境の構築にコミットすれば、さらに3400ドルが支給される。賃上げをしたいという飲食店には、個別に相談も受けている。
同団体の推奨するモデルを導入した飲食店では、セクハラが減り、多様性が増し、チームワークが強化され、離職率が低下したという。
契約・派遣社員の利用
派遣社員の利用は、研修コストがかかるため、最後の手段と考えられているが、AHLA会員企業の72%が、2021年に比べ、2022年には契約・派遣社員の利用が増えたという。ただし、賃上げコストに加え、派遣社員の雇用、残業時間・手当の増加といったコスト増が経営の負担となっている。ヨーロッパでも、人件費の高騰がホテル経営者らの大きな懸念となっている。
福利厚生の充実
アメリカやヨーロッパの大都市では、インフレで家賃が高騰しており、低賃金のホスピタリティ業界の就業者が住宅を確保するのが難しくなっている。そこで、古いモーテルやアパートを購入し、社員寮にしたり、自社ホテルを住居として提供したりするホテルなどが出てきている。
アメリカでは、ホスピタリティ業界の就業者の健康支援も課題となっている。とくに小規模飲食店では、医療保険を提供しない雇用主も多いため、骨折したまま就労していたり、10年間、歯医者に行っていないという就業者は珍しくない。
コロラド州の飲食店が立ち上げた非営利団体では、飲食業界の就業者の健康促進を支援し、無料でメンタルヘルスの研修を行なっている。同団体の調査では、ホスピタリティ業界従業員の63%が鬱病、84%が仕事でストレスを抱え、65%が職場で違法薬物を使用しているという。飲食店では、オフィス職と違い、人事部門もなく、支援を得にくいという状況がある。小規模飲食店が従業員を確保するには、こうした面もネックとなっている。
採用条件の緩和
過去3ヵ月で12万人以上を雇用したというアメリカのホテルチェーンでは、学歴要件を緩和したところ、新規採用の6割が高卒で、社内での研修重視に切り替えたという。
ヨーロッパ最大のホテルチェーンでは、昨年、3万5000人の人材が不足する中、夏の繁忙期に備え、経験不問、履歴書不要で、応募者らを24時間以内に採用した。新規採用者は研修6時間の後、現場で勤務することになった。人手不足でホテルの全室を利用できず、レストランも休業しなければならない状態で、やむを得なかったという。
ロンドンで複数のホテルを経営する企業では、これまでスイスのホスピタリティ専門大学から卒業生を採用していたが、過去2年、政府の若者就業支援プログラムを通じて採用を行った。これは、2020年にイギリス政府が、ロンドンの貧困地区の16~24歳の失業者を雇用すれば、半年間、賃金(および社会保険料)は政府が払うというもので、研修費や制服調達なども援助するものだった。このプログラムは、その後、延長されたが、今では終了している。
大学との提携
アメリカでは、ホテルなどを運営する企業には、業界の人手不足に取り組むために、地元の公立大学と提携し、ホスピタリティ・観光学科を設け、生徒に奨学金を提供し始めたところもある。業界での数多くのキャリアチャンスに気づいてもらうため、2024年から毎年、学生6人に5000ドルの奨学金を支給するという。
また、業界のリーダーを育成するプログラムも設け、キャリア開発セッションや業界のリーダーとのメンターリングを提供する予定である。
高校生への啓蒙
一方、「大学に入ってからでは遅い、高校生のうちからホスピタリティ業界を知ってもらおう」という取り組みが公立高校で始まっている。
ミシガンホスピタリティ財団では、今年9月から、州内の公立高校8校で、ホスピタリティ・観光経営プログラムの提供を開始した。地元ホテルや州立大学と提携し、週に1日は教室で授業を受け、週に4日は提携ホテルで実習をするというものだ。全米ホテル・ロッジング教育研究所 (AHLEI)の教材を用い、まずはホスピタリティに興味を持ってもらうため基礎の学習を行なう。その後、特定の職種のスキル習得のための学習をし、最終的に資格習得試験のための勉強をする。生徒は在学中に、ホスピタリティ・観光スペシャリストとしての資格を取得することができる。
カリフォルニアの公立高校では、ハンバーガーチェーンのマネジャーを20年務めた経験のある教師が、調理法プログラムを立ち上げている。修了すれば、飲食店で働くのに必要な州の食品取扱者資格を取得することができる。
2019年に調理室を建設し、生徒が調理をしてイベントなどのケータリングを行なえるようにした。こうした作業から、調理を体験し、チームワークと他者への敬意を学ぶという。
業界のPR
コロナ禍で解雇や一時帰休を迫られた元従業員らの間では、業界に対する不信感は根強い。アメリカの大学の調査によると、熟練した就業者らは、未だに雇用主や業界に対して憤慨しており、業界に戻る気はないのだという。彼らの多くが、より安定した、対面接客を必要としない業界に移ってしまっている。
また、ホテル業界の調査では、ホテル業界を去った理由として、研修不足が挙げられた。とくに客室清掃員(ハウスキーパー)が離職するかしないかは、最初の3週間で決まると言われている。
元従業員らの信頼を回復するべき、AHLAでは、2022年から9月1日を「全国ホテル従業員デー」に設定し、業界で働く就業者200万人近くを称える日とした。この日は、ホテルの従業員に感謝すると同時に、業界には200以上のキャリアパスがあり、総支配人の半分以上がエントリーレベルから始めたなど、業界のキャリアについてPRを行なう。
現在、他の業界に比べて賃金上昇率は非常に高く、労働環境も以前に比べ向上しており、今、この業界でキャリアを築くには、最適の時期であることを広く世間に知らしめようというものだ。会員企業にも、単なる仕事ではなく、キャリアパスとして見てもらえるような努力、工夫をするよう呼びかけている。
・業界プラットフォームの構築
オランダでも、ホスピタリティ業界の人手不足は深刻だが、今夏、業界が協力して協定を組み、人員を確保するキャンペーンを開始した。
人手不足に対する持続可能な解決策のために協力することを目的とし、「ホスピタリティ協定」を設けたのは業界団体のホスピタリティ経済協力タスクフォースだが、ホテルや飲食チェーン、飲料メーカーを含む企業団体、従業員団体、経済省からも支持を受けている。
まずは6月末に、全国キャンペーン「Be My Guest」を開始し、業界に関する教育と求人機能を併せたオンラインプラットフォームを立ち上げている。(※5)
オランダでは、ホスピタリティ業界での就業は、一時的な仕事と見なされ、まともなキャリアとは考えられていない。協定では、こうした認識を変え、実際には個人が成長するチャンスが数多くあり、有望なキャリアを築ける分野であることを若い社会人や学生に伝えていく狙いだ。具体的には、どのようなキャリアパスが可能であり、どのようなプログラムや学校があるかなどを示していくという。
※5. www.bemyguest.nu
移民政策 – 政府への働きかけ
アメリカでは、就労ビザ発給の遅れに、業界関係者は皆シビレを切らしており、業界団体では、人手不足の解決として、移民政策の改革を最優先と位置づけている。
また、全米ホスピタリティ協会では、2024年会計年度の予算に、季節労働者向けビザである就労ビザ(H-2B)所有者の職場復帰はビザ発給上限に含まないよう議会に呼び掛けている。
アメリカでは、過去数年、メキシコとの国境から、中南米出身の不法移民が押し寄せているが、なんの手も打たない連邦政府に嫌気がさしたテキサスなど国境地域の州が、ニューヨークなどに、こうした移民を何万人と送り込んでいる。ニューヨーク市では、受け入れキャパを超えた数の不法移民が流入したため、昨年から緊急事態宣言を発令している。
今春からだけでも、難民申請希望者は10万人を超えるが、連邦政府から就労許可が下りるまで、彼らは就労ができない状態だ。ニューヨークのホスピタリティ協会では、州知事、市長、連邦議員、企業団体、労働組合、移民支援団体などと協力し、何ヵ月も、連邦政府に就労許可の迅速な発給を促してきたが、実現しておらず、業界団体では、毎日のように会員から「いつになったら、政府は彼らに労働許可を与えるのか?」という問い合わせがあるという。(※6)
業界関係者は、「移民がアメリカ人の職を奪っているというのは、まったくのウソである。アメリカ人を雇用できるのなら、とっくに求人は埋まっている」と苛立ちを隠せない。
日本でも、今年7~8月に、全国の自治体首長を対象に行ったアンケートで、86%が外国人材の受け入れを推進する必要があると答えている。(※7)
また、今年5月に行われた非正規雇用の外国人採用に関する企業調査では、非正規雇用の外国人を採用している企業は47%で、業界別では「コンビニ・スーパー」(72%)に次いで高いのが「ホテル・旅館」(65%)、「飲食・フード」(64%)だった。(※8)なお、三業界とも、コロナ前の2019年の割合を上回っている。
「今後、外国人を採用したい」と答えた企業は全体で57%で、業界別では「ホテル・旅館」がもっとも高く73%だった。「飲食・フード」(60%)ともに、やはり2019年の割合を上回っており、人手不足の窮状がうかがえる。
※6. 日本も、すでに国内在住で(日本語もできて)働きたいという難民申請中者に就労許可を与えない一方、日本語のできない海外在住の労働者に、特定技能ビザを発給して入国させるという矛盾した政策が続いている。
※7. 共同通信。調査は全1788自治体(47都道府県と1741市区町村)の首長を対象に7~8月に実施し、94%の1682人から回答を得た。
※8. マイナビ「非正規雇用の外国人・シニア採用に関する企業調査(2023年)」2023年5月19日~5月29日に直近半年以内に非正規雇用の採用業務に携わった担当者1559人をオンライン調査。
AIの導入
前回は、ホスピタリティ業界でのデジタル化やロボットの導入などについて触れたが、最近では、昨年から世界的に話題になっている生成AI(ChatGPT)を用いたサービスが登場している。
まず、生成AIが利用されているのは、ホテルの予約を含むフロント業務である。フロントが「朝食は何時から」といった宿泊客からのルーティーンの質問に忙殺され、電話に出られないといった経験をしたことのないホテルは少ないだろう。スタッフは他の業務をこなしながら、毎日100本以上のメッセージと格闘するというホテルもあり、どうしても返事が遅くなったり、対応がおろそかになったりする場合もある。そうした顧客対応にAIエージェントを使うことで、スタッフは、本来の業務に専念することができる。
・バーチャルコンシェルジュ
日本でも、今年、宿泊施設向けに対話型多言語AIコンシェルジュの展開を開始したスタートアップ企業がある。ホームページ上でチャット形式の対応が可能で、主要言語だけでなく、ロシア語も含む数十言語に対応している。ホテル側の固有の情報は、1週間ほどで学習可能だという。省人化に加え、顧客が希望する言語で24/7でサービスを提供できるため、顧客満足度アップにもつながる。同サービスは、まずはホテルや旅館の予約サービスからサポートを開始しているが、行く行くはホテル内でのさまざまな幅広い業務にも対応する予定だという。
海外では、イスラエルの企業が、やはり今月、同様のサービスを開始している。GPT-4と独自のAI技術を利用したプラットフォームで、100以上の言語でバーチャルコンシェルジュサービスを提供するものだ。
ホテルのウェブサイトのチャット機能だけでなく、iMessageやWhatsAppなどのメッセージングツールを通じても、顧客に対応することができる。たとえば、チェックアウトの延長といった依頼にに自動的に応答し、食事に合ったワインを勧めるなどのパーソナライズのサービスも可能である。
また、AIによって宿泊客の行動の予想が可能となり、それに合わせてスタッフやリソースのより効率的な配置ができるようになる。同社のAIコンシェルジュは、インターコンチネンタル(IHG)やヒルトンなどの大手ホテルチェーンを含め、30ヵ国のホテルで利用されている。
・AI生成メッセージでパーソナライズドマーケティング
日本国内のホテルに、AIを利用したマーケティングソリューションを提供し始めたアジア系スタートアップ企業もある。これは、潜在的顧客層へのマーケティングに、AIを利用してオフライン、オンライン、SNSのプロフィールを統合して分析し、個々の顧客のニーズに合ったアプローチを展開して顧客エンゲージメントを高めるというものだ。ウエブサイト、メール、アプリ、SNS,プッシュ通知など多様なチャネルを通じ、個々の顧客に最適化したメッセージやお勧め情報をAIで生成し、自動送信が可能である。
今後、AIを利用し、個々の顧客のニーズに合った、パーソナライズドサービスが増えると思われる。また、運営プロセスの簡素化などでも、AIの利用が期待されている。
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