今回、紹介するのは、フリーランスのブロックチェーン人材と企業のマッチングプラットフォームを展開しているベトナム企業である。ブロックチェーン技術を利用し、スマートコントラクトで取引のプロセスを自動化してコストを削減し、国境を超えた支払の低コスト化、迅速化も可能にしている。

GetDone

創業経緯

2010年、創業者は、フリーランサーになるために仕事を辞めたところ、食べていけるだけコンスタントに仕事を見つけるのが難しいことを実感し、フリーランサー向けフェイスブックグループを開始。必要なのはマッチングメカニズムであることに気づく。

2013年、ベトナム初のフリーランサーと企業とのマッチングプラットフォーム、freelancerViet.vnを立ち上げ。
５年で、登録フリーランサー30万人以上、クライアント企業４万社に成長。
ベトナム内外で、ベストＡＩ・機械学習アプリ部門などで、数々のスタートアップ企業に対する賞を受賞。

ベトナムだけでなく海外進出を目論む。同時に、ブロックチェーンの人材不足から、企業がグローバルに人材を確保できるシステムを開発。FreelancerViet.vnの運営を通じ、中央集権型プラットフォームの限界を痛感し、分散型プラットフォームを考案。また、海外への支払はコスト高になるので、それを低く抑えるシステムに。

2018年、ブロックチェーンに特化したマッチングプラットフォームを立ち上げ。ホールディング会社はシンガポールに。サイトの基本言語は英語（freelancerViet.vnでは、ベトナム語以外に、英語と日本語）。

仕組み

フリーランサーを探す企業がプロジェクト掲載。
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フリーランサーが入札。（10本届くと自動的に入札終了。）
同時に、GetDoneのＡＩ機能で、適任者を推薦。
登録しているフリーランサーの中から適任者を選んで、適任者にのみ入札を促すことも可能。
（フリーランサーの返信速度も記録、表示。３日経っても返事がなければ取り消される。）
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入札したフリーランサーを企業が審査。チャット機能で面接することも可能。
GetDoneでは、２～３人に絞って、小さな仕事を発注して試してみることを推奨。
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発注するフリーランサーを選んだ後、オファー送付。
フリーランサーはオファーに対し「受諾」「拒否」「交渉」を提示。７日以内に返信義務。
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Contract Roomで契約締結。フリーランサーとの間でマイルストーンなど契約条件に合意。
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企業は、契約代金（または最初のマイルストーン額）を入金。
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GetDoneがフリーランサーに支払。
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契約を終了するには、企業、フリーランサーともに相互にフィードバックの掲載必須。

＜支払＞
支払は、契約ごと、または時給が可能。
納品まで、支払金はGetDoneが保留（エスクロー）。
マイルストーンごとの支払も可能で、決められたマイルストーン額が支払われない場合、不足分は次の支払に追加され、自動的に支払われる。
納品後７日以内に企業がフリーランサーに返答しない場合、自動的に支払いが行われる。
支払は、ペイパルかGetDone Walletを通じて、20の仮想通貨や外貨で可能。

（出典：www.getdone.co)

特徴

プラットフォームにはブロックチェーン技術利用。

＜スマートコントラクト＞
ブロックチェーンのスマートコントラクトで、企業とフリーランサーの間の契約・取引プロセスを自動化させ、記録。契約完了後のレビューも、ブロックチェーンに記録される。

＜ＡＩ機能＞
自動データ解析による推薦機能搭載。
また、ＡＩが各プロジェクトの平均予算額も企業に提案。いつブロックチェーンの人材を雇い、利益を出しながら人材をつなぎとめておくには、一時間いくら払えばよいかなどを分析。

フリーランサーに対しては、ＡＩが最適の仕事を提案。
100％のマッチングを請け合っており、フリーランサーは応募審査に合格しなければならない。
実務経験がない応募者でも、GetDoneの技能試験での成績がよければ、仕事を紹介。

ブロックチェーン技術者以外にも、翻訳者、コピーライター、デザイナー、オンラインマーケター、コミュニティマネジャーなどのフリーランサーをマッチング。
デザインやコピーライティングのようなクリエイティブな職種ではコンテストを開催して、最適なフリーランサーを見つけることも可能。

グローバル市場でのマッチングを可能にするため、リアルタイムの翻訳機能も提供。

収入モデル

＜対企業＞
プロジェクト掲載は無料。
支払処理・管理費として、フリーランサーへの支払額の1.5％徴収。

＜対フリーランサー＞
フリーランサーがプロジェクトに入札するには、”Proposal Credit”が必要。

今後の展望
・グローバル市場の拡大。
・ベトナム国内では、フリーランサーが利用できるコーワーキングスペースやカフェ、学習センターなどと提携しているが、今後、こうした提携先を海外にも設置。

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