在留資格上のインターシップ制度

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 2019年4月に「出入国管理及び難民認定法及び法務省設置法の一部を改正する法律」が施行され、深刻化する人手不足に対応する目的で新しい在留資格「特定技能」が新設されました。また、2019年5月には留学生の就職支援の目的で新しい「特定活動」の告示が創設される等、外国人材受入において大きな変革の時期を迎えていると考えています。
 当方に寄せられる相談の内容も少しずつ変化してきています。「どのような在留資格の種類でも構わないので、とにかく人材、労働力を確保したい」といった相談が増加しているように感じています。今回は、特に相談が多い、海外の大学生の日本でのインターンシップについて、基本的な要件、審査のポイント等をまとめてみましたので、参考にしていただければと思います。

在留資格:
「特定活動」(インターン)
対象者:
外国の大学の学生(卒業又は修了した者に対して学位が授与される教育課程に在籍している者)
インターン期間:
1年を超えない期間で且つ通算して大学の修業年限の2分の1を超えない期間

※「修業年限」とは、大学が所在する国の教育制度上、学位取得に必要な最短の期間をいう
インターン内容:
外国の大学の教育課程の一部として、大学と日本の機関との契約に基づき当該機関から報酬を受けて当該機関の業務に従事する

審査のポイント—————————————————————————–

●インターンシップ制度が、安価な労働力の供給源として悪用される事案も発生していることから、インターンシップの活動を行う者に係る入国・在留審査につき、次の点に留意する

① 労働関係法令の適用について

インターンシップの活動を行う学生に対する労働関係法令の適用については、インターンシップの態様によりその適用が決まるため一概に判断することが困難であるが、学生が当該企業において、直接生産活動に従事するなど当該作業による利益・効果が企業に帰属し、かつ、企業と学生との間に使用従属関係が認められる場合には、学生は労働者に該当すると考えられるため、そのような場合には審査にあたっては労働関係法令の適用に留意する
(注)学生が一定期間にわたって一般社員と同様に業務に従事している、同様のローテーションに入っている等の場合は特に留意する

② 専攻との関係について

インターンシップは、教育課程の一部として、単位習得等の学業の一環として実施されることが要件となっているが、当該要件を満たしている場合であっても、インターンシップの内容と当該学生の専攻学との関連性についても留意すること。

③ 教育課程の一部であるため、大学と日本の公私の機関との間の契約において、当該機関において学生を受け入れるに足りる十分な受入体制及び指導体制等が確保されていること。

●申請中に追加説明及び資料が要求された実例

・具体的なインターン実施場所、作業内容、時間、指導者・責任者を含む、短期(1日)、中期(1週間)、長期(6ヶ月)の実習計画
・座学と現業の時間的な割合
・深夜、早朝勤務の有無、シフト勤務の有無
・他の従業員との違いについて(勤務時間や作業内容等)
・技能実習生とインターン生の仕事内容の差別化が図られている場合は、それぞれの仕事内容の詳細
・日本の公私の機関、海外の大学以外に仲介した団体等の第三者がある場合は、第三者との関係性が確認できる文書、及び第三者が係ることになった経緯を説明する文書
・学生が所属する学科のカリキュラム(何年生の時にどのような科目を履修するのか、必修科目、選択科目はどのようなものがあるのか、卒業に必要な単位数は何単位か等について証明する資料)
・今回のインターンシップで認められる単位がカリキュラム上のどの科目に当たるのか説明する文書

 在留資格「特定活動」(インターン)は、業種や職種は限定されず業務に従事できますが、決して労働力ではありません。あくまでも教育課程の一部であり、単位習得等の学業の一環としての活動です。この部分が最も重要な点にも関わらず、この点を理解しないまま、インターン生の受入れを進めようしている企業や第三者が非常に多いように感じています。上記の追加説明及び資料要求の内容は、出入国在留管理庁が審査上重視しているポイントの一部として捉えて問題ないと思います。このインターン制度をうまく活用し、海外大学卒業生の日本での採用実績を順調に伸ばしている企業も多くあります。まずは、基本的な趣旨や目的を理解した上で、日本の企業、海外の大学、インターン生が共通の認識のもとで、在留資格「特定活動」(インターン)での受け入れを、企業活動の一環として継続的に利用していただければと考えています。


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ACROSEEDグループプロフィール
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