つながり力を高めるためには

皆さん、こんにちは。ESコンサルタントの金野です。

組織のESの高さは「組織の中にどれだけの“つながり”が存在するか」と
いう点で測ることができ、今、伸びている会社に共通しているのは、
この「つながり」を成長の糧とし大小様々なイノベーションを起こしながら
前進している、という点である、ということをこれまでお伝えしてきました。

組織が多くの「つながり」を有する、ということは、
そのつながりの相手・関わっている人から、多くの承認や
共感を得る接点がある、ということです。

接点を通してプラスの評価を得て、共感資本を高められれば、
組織はより成長することができるのです。

組織のつながりの大きさは、すなわち、
組織に所属する一人ひとりが持つつながりの総量でもあります。
個がもつつながりの豊かさを表す指標として、
「SQ(Social Intelligence and the Biology Quotient)」があります。

SQとは、「EQ(Emotional Intelligence Quotient)感情知能指数」
という概念を提唱した心理学者ダニエル・ゴールマンが、
脳科学の進歩により見出された新たな知見として掲げたもので、
「社会性の知能指数」とも呼ばれます。

社会性とは、「社会を生き抜く力」とも言いかえられます。

つまり、SQとは、自分と他者とを効果的につないでいくための
コミュニケーション力の高さを指し、社会という複雑系の
世界を生き抜くための基礎能力のことでもあるのです。

このようなSQの高い個々のつながりの総量が組織のつながり力(ES)
となり、共感資本を生み出し、企業が成長する原動力となる、
というサイクルが、今伸びている企業の共通点であると言えます。

皆さんの組織のSQ度合いは、いかがでしょうか?

全ての人材が「SQが高い」状態にするのは難しいのではないかと
私は考えています。

よく言う「2:6:2」の原則に置き換えれば、
上位2割の人材が高いSQをもち、社外でのつながりづくりのために
社長や幹部が動いたあとを”つなげる”役割、真ん中の6割の人材が
その予備軍としてさまざまな場に参画しながらSQを高める経験値を
重ねていく、という状態、が理想的でしょうか。

組織のSQを高める上で大切なのは、
「SQという概念がこれからの時代に必要なのだ」という理解。

そして個々の社員の「自分をもっと変革させて高めてゆきたい」
という意欲です。

ダニエル・ゴールマン曰く、
「社会脳(脳ミソの中の社会性を司る部分)を発達させるには、
行動パターンを変革させようと懸命に努力すべし」。

つまり、自ら「変わりたい」という意志をもたねばならない、
ということです。

そして、もしその意志がないうちに社会脳を発達させる
トレーニングをしていくと、脳ミソの別の部分が作用し、
混乱をきたしてしまうと言うのです。

最近、よく聞くのが、
「CSR活動にいかに社員を主体的に参画させれば良いか」
という社長さんの悩み。

しかし、その解決策として「まずはCSRの場に連れて行こう」と
やみくもに社員を連れ出してばかりだと、
自ら変わりたいという意志がない人材の場合は混乱が生じ、
そもそもの信頼関係に溝が生じたり仕事のモチベーション自体に
影響が及んでしまう、などということになりかねません。

日頃の対話を通して、「つながりを豊かにしながら自らを変革させたい」と
いう関心やおもいを持っているかどうか、を見極めて、
そのような人材をまずは参画させていく、という流れが望ましいと言えます。

組織に理念を浸透させるには 長い時間がかかるように、
人材のSQを高めるためにも近道はありません。

そして、「自ら変革しよう」 という意志を促すのは、相当困難なことです。

しかし、地域活動に参加したり他社と連携するなど、
仕事を通してつながりを豊かにする機会をもちやすい中小企業においては、
SQ度合いを高めるためのトレーニングの場を
つくりやすいのではないかと思うのです。

「地域おこしの前に組織の心おこし」。

ESを軸とした組織づくりと、本業を通したCSR活動によって、
中小企業だからこそできる社員の心の土壌を耕しつながりを
豊かにする機会を作り出したいものです。
 

金野 美香:日本ES開発協会プロフィール
金野美香(きんの みか)日本ES開発協会 専務理事 | 福島大学行政社会学部卒業後、有限会社人事・労務にて、日本初のES(従業員満足)コンサルタントとして、企業をはじめ、大学、商工団体で講師を務めるなど幅広く活動する。“会社と社員の懸け橋”という信念のもと、独自に編み出したES向上組織開発プログラム「クレボリューション」や、組織活性度診断「人財士」を活用した社内プロジェクトの立ち上げに取り組む。[http://www.jinji-roumu.com/] ・Tel:03-5827-8217 ・Mail:info@jinji-roumu.com