皆さん、こんにちは。
キャリアコンサルタントの金野です。
これまで私がお伝えしてきた「クレボリューションプログラム」は、
ESの考え方を組織に根付かせて、社員のモチベーションを持続し組織を
持続的に成長させる”組織開発”の取り組みです。
このメルマガで畑中がお伝えしている評価や賃金など人事の仕組みが
”ハード”の部分、であるとすれば、
この「クレボリューションプログラム」の取り組みは、それらのハードを支える
”ソフト”の部分であると言えます。
クレボリューションプログラムは、社内で作成したクレドを活用して進めて
いきます。
ここ最近よくご相談いただくのが、
立派なクレドをつくって満足してしまい、その後の”活用策”までつながらず、
クレドが”飾り”になってしまっているケース。
「クレドを推進しよう!」「ESを推進しよう!」と言っても、言葉で伝えるだけ
では単なるスローガンにしかなりませんので、クレドに込められた意味を社員
一人ひとりが理解し行動で実践していくことが必要です。
そのために、「ESクレド推進委員会」というチームを設けて、各部署でクレド
を意識した仕事ができているか(日々の朝礼を実践しているか、『職場の
習慣』を書いているか等)をチームメンバーがチェックし、NGワード撲滅運動
等の施策を実践したり、ワールドカフェを運営したりしていきます。
ただし、クレドを柱にESを向上させるためには、
●クレドの項目に関連した取り組みであること
(例:「ワクワク感を提供する」というクレドがあるので、ワールドカフェは
参加してよかったと思わせるような演出を必ず行なう)
●再現性があること
(例:ESクレド推進委員会の初代メンバーの時は全社で朝礼を実践したが、
第二期のメンバーに入れ替わったら朝礼をやらない部署も出てきた
⇒これでは”再現性がない”ということになる)
●継続性があること
(例:全社で初めて行なったワールドカフェはとても盛り上がったが、二回目は
半数しか参加せず、三回目は参加者が集まらずにストップしてしまった
⇒これでは”継続性がない”ということになる)
●皆が参画できるものであること
(例:シフトを組んでいる職場でワールドカフェを行なう際に、両方のシフトに
考慮した日程を組むこと)
以上4点が重要ですので、
推進委員会のメンバーは、これら4つのポイントを抑えた”場”づくりを行なう
必要があります。
クレドを用いた施策で、誰でも気軽に参加でき、かつ継続すればより効果的
なものは?とご相談をいただいた時にお伝えするのが、
「クレド習慣化プログラム」です。
クレド習慣化プログラムは、以下の手順で行ないます。
1.職場の皆で、クレドを意識して行動した結果生じたエピソードをフセンに
書き出します。
【例】「ワクワク感を提供する」というクレドを意識して、提案書を作る際に、
商品を説明する文章だけではなく、お客様が実際に商品を使って笑顔
でいる写真や、お客様の生の声を載せるようにした。また、プレゼンの際も、
プロジェクターで画像を映し出し、音楽を流しながら説明をした。
その結果、お客様も笑顔でプレゼンを聞いてくれ、「商品にこめたこだわり
や御社の理念がよく伝わってきて共感できました。社内で具体的に
検討します。」と言っていただけた。
2.各自がフセンに書いたエピソードの内容を発表しながら、模造紙に
貼り出す。
3.各々が貼り出したフセンを整理し、自社のクレド項目ごとに貼り直す。
4.貼り出されたフセンのエピソードを読みながら、「マネをしたい行動」を
選ぶ。
5.「クレド習慣化目標シート」に4.を転記し、自分が一ヶ月かけて
習慣化したい目標項目とする(対応するクレド項目も記載する)。
クレドの活用のカギは、「習慣化」にあります。
しかし、「クレドを毎日読み上げて内容を覚える」ということが習慣化では
ありません。
「クレドを意識した行動」を習慣化する、ということが大切なのです。
このとき注意しなければならないのは、その行動を実践する際の土台にある
“心構え”や“視点”“タイミング”が何だったのかをよく考え、それをマネしていく、
ということです。
言葉遣いや身振り手振りなど、表面的な行動をマネしても、「サルマネ」で
しかありません。
行動の根幹にある「心構え」や「視点」「タイミング」を意識して、行動して
いくことが重要なのです。
また、「エピソードを発表していく」という点も大切です。
単に事実や情報(クレドの意味)を伝えていくよりも、クレドにまつわる
エピソードを伝えて、そのエピソードに至った背景や経緯を把握することで、
より理解を深めることができるのです。
クレド習慣化プログラムは、各職場単位で実践できるものです。
日々の朝礼・終礼・『職場の習慣』(日報)の記入等で蓄えられた
エピソードを洗い出し皆で共有する場として、3ヵ月ごとくらいのペースで
この習慣化プログラムを実践していくと良いでしょう。