履歴書は、もはや応募者が、その職に適任かを測る手段として有効ではないという認識が広がっており、AIを使い、ビッグデータに基づいた客観的な採用過程を可能にするプラットフォームが各国で登場している。
今回は、履歴書の代わりに、予備選考として各種アセスメントテストを提供し、その結果を基に、理想のプロフィールとマッチングさせて、スコア化するプラットフォームを開発したスタートアップを紹介する。
Harver
URL | https://harver.com/ |
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企業名 | Harver B.V. |
本社所在地 | アムステルダム、米本社 ニューヨーク |
創業 | 2013年 |
代表 | Barend Raaff (CEO兼創業者) |
フェイスブック | https://www.facebook.com/harver.com/ |
ツイッター | https://twitter.com/HarverHRM |
リンクトイン | https://www.linkedin.com/company/harver/ | 資金調達 | エンジェル、VCより計1400万米ドル |
創業経緯
オンラインスタートアップで働いていた創業者は、大手コールセンターのCEOがスタッフの離職率が高くて困っているという話を聞き、それは採用の仕方がまずいからと判断。そこで、履歴書に代わるAIベースの一次選考プラットフォームを開発。性格テストなど各種適正診断テストを搭載し、そのデータを基に応募者の予想定着率を計算。
仕組み
一次選考の段階で、その職で、どの候補者がもっとも適任かを予測分析によって判断。
応募者にオンラインで各種テストを受けてもらい、その結果によって、応募者の職種での成功の可能性をスコアで算出。
履歴書をスキャンしてキーワード検索をしたり、ソーシャルメディアのプロフィールから候補者の情報を収集するということはせず、自社のプラットフォームでアセスメントを通じて得たデータのみを利用。
<応募者アセスメント>
Harverでは、下記のようなアセスメントツールを提供しており、クライアント企業は自社のニーズに合わせ、ルーツをカスタマイズできる。
<テスト>
・文化的適性: 社風に候補者がフィットするか
・性格テスト
・状況判断: 現実の状況に候補者がどう対応するか
・認知能力ゲーム
・語学能力: 42か国語
・スキル評価ゲーム: ハードスキルをテスト
・マルチタスクテスト
・タイピングテスト
・ビデオ面接: 応募者が自己PRの動画を録画してアップロード
<企業ブランディング>
採用企業は、会社のロゴや会社紹介動画作成など、ブランディングが非常に簡単にできる。
既存の採用管理システム(ATS)などの統合も可能。
ブラウザー拡張、HarvarXの利用は無料。
採用企業は、動画や画像、各種テストを使って、自社のブランドで、自社のニーズに合わせてアセスメントプロセスをカスタマイズできる。
アセスメントライブラリー
<マッチング>
採用企業のもっとも優秀な社員のデータを基に、職種ごとに適任者のプロフィールを定義。
これをHarver独自の業界データや公開業界ベンチマークデータと合わせ、理想の候補者プロフィール作成し、それを基にアルゴリズム構築。
応募者は、動画などを見ながら、採用企業について学び、アセスメントを終了。
応募者のスコアを理想のプロフィールと比較し、マッチングスコアを計算。
さらに、採用を続けながら、そのデータをアルゴリズムにインプットするため、データの質は向上を続ける。ただし、データをアルゴリズムにインプットするかどうかは、各採用企業が決めることができる。
<ローカライズ>
Harverのプラットフォームは、13か国、42か国語で提供されている。
世界各国で、産業・組織心理学者がクライアント企業のアセスメント構築をサポート。
導入ステージでは、クライアント企業のプロジェクトチームとともに作業し、プラットフォームが、その国の価値観や文化規範に従って設定されていることを確認。
応募者のアセスメント結果画面
理想プロフィールとのマッチング度、各種適性、スキル、自己PR動画を一覧できる。
成果
Netflix、Uber、Booking.com、Zappos、Adeccoなど、小売、ホスピタリティ、顧客サービス、ITなどのさまざまな業種で利用。
利用企業による評価は、非常に良好。
1)実際のデータを利用することで採用の質が向上。
2)採用に要する時間を削減。
何百人、何千人という応募者をアセスメントを基に自動的に選考可能。
ヨーロッパ4か国1000店舗で8万人を雇用する大手スーパーでは、Harver導入によって採用に要する時間を60%削減。
3)応募者の満足度向上。
応募者からは応募過程に対するフィードバックを入手。Zappoでは応募者の97%が選考過程に満足。とくにZapposやNetflixなど対消費者業者の場合、応募者が顧客でもある可能性は高く、会社に対して悪い印象を与えることは避けたい。不採用になっても、満足してもらうことが重要。
収入モデル
アセスメント数、応募者数などによって、企業ごとに料金は異なる。
今後の計画
・マッチングエンジンの精度のさらなる向上。
・応募者とのコミュニケーションの最適化。→ 応募者の満足度の向上。
・不採用の応募者が、プラットフォーム内で、より適した職を見つけられる機能搭載。
→ 応募者の満足度のさらなる向上。
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