これからの時代の新しい組織づくりに必要な「リーダー人材の見極め」をどのようにすれば良いのか?

「管理職登用を体系的な仕組みにしたいが、どこから取り掛かれば良いか分からない。」
「中堅社員をもっとリーダー人材に育てたいが、どんなプログラムが良いか分からない。」
「既存の管理職の適性を今改めて見極めて、これからの時代に即したリーダー人材を育てたい」
私たちが関わる中小企業の社長さんから、自社のリーダー人材の育成についてご相談をいただく機会が増えてきました。
市場の急速な変化と共に次なる成長曲線を描くために、企業はイノベーション(変革)を起こす必要性に迫られています。
そのためには、社長だけではなく幹部・管理職たちが、如何に組織全体でイノベーションを推し進める役割を発揮できるかどうかが重要です。

企業においては、事業や社員の数に応じて、営業成績の良さや勤続年数の長さというだけで役職に付けてしまうことがあります。
また、新規事業の立ち上げに応じて、取り急ぎ人材を配置する、というケースもあります。
その結果、企業の方針がぶれ「船頭多くして船山に登る」状態を作り上げてしまうことがあります。
組織の業務効率だけを求めて管理職を選ぶということは、今のように平時でない変革の時代においては危険です。
この時代を生き抜く組織とは、“社長の分身”がどれだけいるかにかかっているのだと思います。
社長の分身たる人材であるかどうかを見極めるために、表には見えないプロセスの部分からその人がもつ行動特性や思考パターンを正しく見極めていくことが必要です。
その見極めのことを「人材アセスメント」と言います。
これまでは大企業を中心に管理職登用のための人材アセスメント手法が活用され、中小企業では採用の時に用いるケースがありました。
しかし、冒頭でお伝えした通り、時代の変化にあわせて企業としての変革を推し進めるためには、組織の大小に関わらず、社長の分身として、組織の判断軸に基づいて現場でスピーディーに意思決定できる人材を配置する必要があるのです。

昔から「能力ある者には、金を与えよ。徳ある者には、地位を与えよ。」という言葉がありますが、これからの時代は、業績に貢献した社員に報いるという人事制度の側面(ハード)と、企業文化の磨き上げに貢献した社員に報いるというESの側面(ソフト)の両方が必要とされています。
管理職(リーダー人材)であるということは、同時に責任や裁量、権限が大きくなり、より経営者に近い立場になる、ということです。
そのためには、目の前の業務をこなしていくのではなく、部下たちを参画させながら数か月後、数年後といった未来の価値を生み出すための「明日の仕事」に力を注ぎ、自らをリーダーとして常に成長させていく力が必要です。
「人材アセスメント」は、そのようなリーダーとしての力量・器をどれほど有しているかを客観的に評価するために実施します。
その企業の理念やビジョン、企業文化にそくした評価指標を設け、「チャレンジ精神(イノベーション思考)」「ファシリテーション力」などいくつかの評価項目に落とし込んでいきます。
人材アセスメントの“科目”にはさまざまな種類がありますが、“これさえあれば全てが分かる”という完璧なものはありません。
しかし、例えば一つの花瓶を前から眺めるか上から見下ろすかで目に見える形が変わってくるように、いくつかの種類のアセスメントを組み合わせたり使い分けたりすることで、多様な視点で多角的に人材像を把握することができ、より“見極め”の精度は高まると言えます。
例えば、問題解決力・意思決定力を見極める「インバスケットテスト」や、合意形成力を見極める「グループ討議」などを組み合わせて、自社のリーダーとしての適性を見極めるアセスメントプログラムを導入する企業が増えているのです。
特に、ここ最近は、さまざまな思考法がブームともなり、リーダー人材の傾向が単一化しつつあるように思うことがあります。
具体的には、短期的かつ表面的な問題解決力ばかりが養われ、「課題設定・抽出力」や「気づく力」「意思力(やりぬく力)」を見極め、高めていくが難しくなっている、というのが、人材開発における課題であるとも感じます。
まだ人材アセスメントという手法を導入していない企業においては、そのような課題に直面する以前に、気づく力や意思力を持ったリーダー人材を育てるべき、と私は考えています 。
そのためには、人材アセスメントを活用した登用プログラムを導入するだけで終わらせるのではなく、その後のフォローアップ(登用試験をクリアした人材の強化育成)や中長期的な人材開発プランを組み立てる必要性があるのではないかと考えています。

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ACROSEEDグループプロフィール
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