在留管理 – 在留期間更新許可申請中の出国とその注意点

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毎年クリスマスや大型連休の時期になると、在留期間更新許可申請(以下更新申請)中の方から本国への一時帰国についてよくご相談をいただきます。今回ご紹介するのは更新申請中の出国とその注意点です。

まず更新申請中の出国ですが、通常時と同様に空港で再入国制度(みなし再入国含む)を利用して手続きを進めることが可能です。更新の手続きは3ヵ月前から申請可能なので、在留期限と出国が重なることが予想される場合には予め更新申請をしておくことが望ましいでしょう。
在留期限の切れる直前に更新申請を行い出国中に在留期限が到来してしまう方も居ますが、こちらも通常の手続きと同様に現在の在留期限から2ヵ月(特例期間)を経過する日までに再入国し審査結果を受ければ問題ありません。一見在留期限の切れた在留カードでの再入国に不安を感じる方が多いようですが、更新申請に際し在留カードの裏面に「在留期間更新許可申請中」という判子が押されます(写真.1 参照)。こちらで当該在留カードの所有者が入国管理局で手続き中であることを外形からも確認できるのでご安心ください。

<写真.1>
在留カード(サンプル)

この2ヵ月の特例期間の延期は原則認められません。出国中に審査を終えたとしても審査結果を受領する前にこの2ヵ月が経過してしまった場合、その在留資格では日本に戻ることはできなくなり審査結果も受け取ることができなくなります。この場合、改めて在留資格認定証明書(COE)から取り直さなければ就労は不可能となります。更新申請中の出国の際には滞在予定期間と再来日する予定日に注意が必要です。
以上の様に更新申請中の方の出国は結果受領の期日さえ注意すれば通常時と同様に手続きを進めることができ結果を受領することもできます。本国への一時帰国のほか、海外出張などの際にご参考いただけると幸いです。
ただし、更新申請中は入国管理局から追加書類を求められることもあります。ご本人様が国内に不在となる場合には、別途対応できるようにしておく必要があるのでこちらもご注意ください。

外国人労働者の方が就労不可能となるということは、進行中のプロジェクトの中断など様々な弊害が生じる危険があります。今回は更新申請中の出国についてご案内いたしましたが、やはり出来る限り早い段階で更新申請を行い期限内に新しい在留カードを受領することが最も望ましいことに間違いありません。本来更新申請は本人が行う手続きではありますが、企業の側で申請時、出入国時、結果受領のスケジュールを把握し在留管理を行うことが双方にとって望ましいといえるでしょう。

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ACROSEEDグループプロフィール
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