在留資格「特定活動」および「指定書」の見方

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企業が既に在日の外国人に対し新卒採用や中途採用を行うときに、その外国人の有する在留資格を確認すると、「特定活動」の場合は少なくないと思います。しかし「特定活動」の在留資格を変更許可申請しないまま、または他の在留資格に変更できるまで、アルバイトや社員として働くことはできるかどうか困惑したことがありませんか。今回は企業の人事の方がよく目にする「特定活動」の種類についていくつか紹介します。

在留カードに「特定活動」という在留資格が書かれていたら、必ずその人のパスポートに「指定書」がホチキスで留められています。

●ケースa.
日本で大学や専門学校にて勉強した留学生が卒業後、日本で就職しようとしたのですが、卒業後3ヵ月経っても就職先が決まらず“就職活動”を続けたいときに在留資格を「留学」から「特定活動」に変更するケースがあります。その場合、「指定書」には“就職活動及び当該活動に伴う日常的な活動(収入を伴う事業を運営する活動又は報酬を受ける活動を除く。)”と書かれています。 “就職活動”の「特定活動」を有する外国人は、在留カードの裏に「資格外活動許可」の捺印があるものに限り、週28時間までの報酬に伴う勤務が認められます。

●ケースb.
企業の人事の方もよくご存じの“ワーキング・ホリデー”の「特定活動」の場合、「指定書」には“(前略)……日本国領事官等の査証(同表において「ワーキング・ホリデー査証」という。)の発給を受ける者が、日本文化及び日本国における一般的な生活様式を理解するため,本邦において1年を超えない期間,休暇を過ごす活動並びに当該活動を行うために必要な旅行資金を補うため必要な範囲内の報酬を受ける活動(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律……(中略)……に従事するものを除く。)”と書かれています。要するに許容職務内容範囲内のアルバイトをするのは全く問題ありません。しかし、その勤務時間について注意しなければならないところがあります。「留学」や「家族滞在」とは違い、“週28時間まで”という規定はありませんが、あくまでも“旅費に充当する程度”の範囲内と想定されます。

●ケースc.
2015年4月の入管法改正により、在留資格「高度専門職」が設けられました。これは以前の“高度人材”の「特定活動」とほぼ同じ在留資格です。“高度人材”の「特定活動」は5年間の在留資格が多いため、今でもよく目にします。その場合、「指定書」には“次の機関との契約に基づいて行う自然科学若しくは人文科学の分野に属する知識若しくは技術を要する業務に従事する活動又は当該活動と併せて当該活動と関連する事業を自ら経営する活動  機関名 〇〇〇〇株式会社”と書かれています。文面の通り、「指定書」に明記された機関においてしか仕事をしてはなりません。従ってその高度人材の外国人が転職する際、“高度人材だから、すぐに入社して勤務できる”のではなく、改めて「特定活動」から「高度専門職1号ロ」への変更許可申請をするか、“高度人材ポイント”が必要とする70ポイントに至らない場合、「技術・人文知識・国際業務」への変更許可申請をしなければなりません。また、上記の変更許可申請をする“高度人材の配偶者”として「特定活動」を有する外国人配偶者は「特定活動」から「家族滞在」への変更許可申請をしなければなりません。

最近、弊社ではケースc.に関する相談が増えている傾向がありますが、企業の人事の方、更に転職する外国人本人もよく分かっていない場合が多く、特に本人は“高度人材だから転職したら、すぐに働けるだろう”という考えが多いようです。変更許可申請をし、新たな就労できる在留資格を得られるまで、アルバイトを含めてどこでも働けないということに注意してください。

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ACROSEEDグループプロフィール
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